ハンティングシーズンも終わり渓流釣りの準備をはじめている今日この頃。
今回はナイフについての備忘録です。
昔ナイフも趣味でいろいろと揃えていました、ハンターになって2シーズン この間に数本のナイフを買ったり もらったりし、またナイフの興味が増しました。
先日 アウトドアやっている方なら誰でも知っているナイフ モーラのコンパニオン ヘビーデューティを買いました、このナイフを買うのは今回で2本目です。
このナイフをしげしげと眺めていると ふと疑問が湧きました、モーラナイフのステンレス鋼ブレードはスウェーデン_ステンレスと言われているサンドビック社の12C27(ガーバークは14C28N)で モーラのホームページにも書いてあります。
ところが 炭素鋼(CARBON STEEL_カーボンスチール)ブレードについてはHigh carbon steelとしか書いてなく材質が書いていません。
モーラの炭素鋼ブレードの材質をネットで調べてみた
2010年の情報ではUddenholm(スウェーデン・オーストリア)の UHB20C ,Wälzholz(ドイツ)のDIN(ドイツ)規格の CK101 とCK95 。
UHB20Cの基準成分はC=1.0,Si=0.3,Mn=0.45,Cr=0.15,S_max=0.005,P_max=0.050。
2013年の情報ではUNI(イタリー)規格の C100 ということが分かりました。
C100の成分はC=0.90~1.05,Mn=0.30~0.60,Si=0.15~035,S_max=0.050,P_max=0.035、
CrもUHB20C材と同様に0.15程度添加されている可能性有り。
製造はドイツのC.D. Wälzholz GmbH です。
追記)モーラのプロダクションマネージャー 「トーマス・エリクソン」がモーラナイフの『炭素鋼ブレード材はC100』と2017年以降いくつかのヨウツベのインタビューで答えていますが、モーラのホームページには いまだに公表されていません。
これらの材質はAISI(アメリカ)規格で言えば 1095相当品 です。
1095と言えば アメリカのONTARIO、 ESEE、 TOPS、等が使っています、KA-BAR(BECKER)は1095Cro-Vanでクロムの他バナジウムも添加されていて1095とは別物と私は考えています。
モーラは なぜ炭素鋼ブレード材質を公表しないのか?【私見】
モーラナイフの魅力は以下の四項目と考えます。
・コスト_パフォーマンス
コンパニオン ヘビーデューティはアマゾン日本で2592円、アマゾンUSAで$19ほどで買えます。
モーラの安くナイフを作るという生産技術力はすごいと感心します。
・実用性
個体差はあるようですが、箱出しでもそこそこ切れるし、通常の使い方なら壊れない 刃持ちも良い。
・デザイン
北欧の伝統的なナイフ形状、スカンジグラインド、グリップは秀逸。
・MADE IN SWEDEN
私は生産国を気にしませんが、MADE IN CHINA より かなりアピールできる。
以上から考えると他社製に比べ差別化ができている。
炭素鋼はスウェーデン製で無いから公表しない(鋼材が他国から輸入してもナイフ製造がスウェーデンならスウェーデン製となるが)のか?
イタリー規格のドイツ製鋼材だと「しゃれにならない」!?
ナイフを安価にするため鋼材調達戦略上 複数のメーカ(国)より購入しているのか?
ステンレス鋼(12C27)はサンドビック製(スウェーデン)で、サンドビックは非常に有名な会社なので、こちらは公表した方が宣伝になるが、炭素鋼メーカはサンドビック程有名で無いので公表しても意味が無い?
ステンレス鋼の12C27は非常に有名な鋼材でモーラ以外のナイフメーカも多く使用しているので、他社製と性能面で差別化しにくい。
炭素鋼(UNI規格 C100)はAISI規格の1095相当(炭素量が0.95%程)であるが、モーラ向けの特別仕様材としているかも?、一般的に鋼材はある程度量がまとまれば自社にあった仕様で製造してもらえる。
例えばナイフの材料歩留まりを上げるため専用の寸法(板厚、板幅)にする、それより重要なことは 熱処理品質の向上 品質の安定化のため 鋼材の金属組織(結晶粒度等)や、 化学成分 特に焼入れ性を安定させるためジョミニー(H)バンドまたはDI値、不純物(リン、イオウ、銅、アルミ等)を厳しく規定している? (少なくともクロムは添加していると考えます)、この仕様を安価に満たしてくれる鋼材メーカを常に探している?。
【炭素鋼ブレードは差別化に非常に貢献している】 このため炭素鋼の材質を公表しない?
いずれにしろ モーラナイフは 「Value For Money(お買得)」、「High Quality No Bullshit(高品質で うそ詐りの無い) 」を追求している ところは非常に評価できますネ!!!!!。
参考)
・ガーバークは当初14C28Nのステンレスバージョンだけでしたが、ブラックコーティングされた炭素鋼バージョンが2018年春から販売されました。
・クラシックバージョンが2020年春から新しくなりました(値段は約倍になっています)。
以上 これは私の私見であり備忘録です。
今後 ナイフ等の刃物ネタも書いていきます、ただ不定期ですが!。
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