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【ナイフ備忘録】『ナイフのブレイド_ジオメトリーとエッジ_ジオメトリー』の超基本

【ナイフ備忘録】『ナイフのブレイド_ジオメトリーとエッジ_ジオメトリー』の超基本

今回はナイフの超基本知識としてのブレイド_ジオメトリー(刃_諸元)及びエッジ_ジオメトリー(刃先_諸元)についてです。

この知識は「ナイフの選定」(好みが最優先ですが)や「ナイフを研ぐ際」に必要なことです。

ナイフのブレイド_ジオメトリー及びエッジ_ジオメトリーに関しては いろいろな意見があります、あくまで私見で【備忘録】です。

用語については基本 英語をそのままカタカナにしています。

 

ブレイド ジオメトリー(刃_諸元)とは

 

ブレイド_ジオメトリー(blade_geomtry)とは直訳すると「刃の幾何学」で 日本語としては「刃の断面形状と傾斜角度」とか「刃の諸元」(諸元:一般的に機械部品・装置での形状・寸法・性能・仕様のこと)となります。

(刃構成という言葉を使っている方もいますが この訳は適切で無いと思います)

またブレード_ベベル(blade_bevel(傾斜))という表現もありますが、最近は「ブレイド_ジオメトリー」と表現する方が一般的です。

 

 

プレイン_エッジ(直刃)と  セレイテッド_エッジ(波刃)

 

一般的なナイフはプレイン_エッジ(plain_edge、 直刃)ですが  波形状の刃を持ったセレイテッド_エッジ(serrated_edge、波刃、国内ではセレーションエッジと呼ばれています )も有ります、なお スパイダルコ(spyderco)はスパイダーエッジ(spyder_edge)と呼んでいます。

また ブレイドのポイント側半分がプレインエッジで残り半分がセレイテッドエッジのコンボ_エッジ(combo_edge、combination_edge、half_serrated_edge、国内ではハーフセレーションエッジと呼ばれています)も有ります。

セレイテッド_エッジはロープの切断に適しています、パン切り包丁にもあります。

(上下ともspyderco ladybug3)

 

 

次は ブレイド ジオメトリー(刃諸元)についてです。
ブレイド(刃)の断面形状の種類と特徴、但しエッジ(刃先)についてはエッジ_ジオメトリーの項目で説明します。

重要な事は

①ブレイド_ジオメトリー(刃_諸元)とエッジ_ジオメトリー(刃先_諸元)は全く別物(いろいろな組み合わせが有る)

②上記①項は非常に重要ですがブレードの厚さ、幅、長さも重要、特に『刃厚』が重要
ブレイド_ジオメトリーがフルフラットグラインド等 及び ブレイド_シェイプがドロップポイント等が 同じでもブレード厚さ2.5mmと5mmのナイフは別物(薄い方が切れ味が良い、但し剛性は落ちる)、
→コンベックスグラインドで有名なバークリバーのナイフは同じシリーズで「標準の刃厚のもの」と「少し刃厚の薄い”LT”」が有ります、より切れ味を追求する方が多い からだと思います。
③ブレイド材料・熱処理
 ①項、②項が同じでも材料・熱処理でナイフ性能が異なる(今回は説明無し別途説明予定)

 

対称グラインド(symmetrical_grind)

一般的なナイフのブレイドは左右対称ですが非対称の物も有ります、最初に左右対称のブレイドについて

 

フラット_グラインド(flat_grind: 「V形状」断面)

ナイフでは最も一般的な形状で、3種類有りますが 区分については曖昧な部分が有ります。

プライマリー_ベベル(primary_bevel)について :ブレイドの最初の傾斜面のこと
・フルフラット:スパインからエッジ(のセカンダリーベベル)まで
・スカンジ&セイバー:グラインドライン(しのぎ線)からエッジ(のセカンダリーベベル)まで

①フルフラット_グラインド(full_flat_grind)
・断面が逆三角形です。
・ナイフの基本形で最も汎用性が高いカットより「スライス」
・剛性は比較的低い 刃厚が厚ければハードにも使用可能

(esee model-6、刃厚=5mm)

 

スカンジ_グラインド(scandi_grind)及びセイバー_グラインド(saber_grind)
・何れも断面が逆五角形で フルフラットグラインドより剛性は高い。

②スカンジ_グラインド(scandi_grind)
・一言で言えば「ロバスト(robust)性が高い」、ロバスト性とは いろいろな環境(の変化)に対応でき役に立つこと、ナイフの剛性が高い、切れ味が良い、フィールドでも研ぎやすい 等。(モーラにロバストという名のハードに使えるナイフが有りますネ)
・ブッシュクラフトの定番、キャンプ用ナイフのグラインドとしては最も普及している。
・一般的な刃厚は2~3.5mm、刃厚が厚いと切断抵抗が増えるのでセイバーグラインドの方が有利。
・フラットグラインドの中では最も研ぎやすい。

③セイバー_グラインド(saber_grind)
・フルフラット_グラインドとスカンジ_グラインドの中間の性能

 

(上はenzo trapper 95 scandi、刃厚=3.5mm 、 下はspyderco endura4 saber、刃厚=3mm)
・スカンジ_グラインド:
グラインドラインがブレイド幅の1/3付近~エッジ側の所から始まる、一般的にはグラインドラインとエッジラインとの幅がポイントに向って狭くなる。
グラインドラインがセイバーグラインドと同じブレードの高い位置から始まるハイスカンジグラインドと呼ぶ物も有る。

・セイバー_グラインド
グラインドラインがブレイド幅の中央付近~スパイン側の所から始まる、一般的にはグラインドラインとエッジラインとの幅が同じで平行。
グラインドラインがスパインの直ぐ下側にある物はフラットグラインドなのかセイバーグラインドなのか曖昧な物がかなり有ります、またスカンジグラインドと同じくらい低い位置にグラインドラインが有る物も有ります。
また セイバーグラインドのナイフにはセカンダリーベベル(後述のエッジジオメトリーで説明)が必ず有ります。
(spyderco endura4 はブレイドシェイプがリーフ(leaf)形状のため、グラインドラインのブレイド幅に対する位置定義が不明瞭です、enzo trapper 95 と同じドロップポイント同士のナイフで比較できればグラインドラインの位置比較が一目瞭然ですが、セイバーグラインドのナイフはこれしか持っていません)

 

 

 

 

コンベックス_グラインド(covex_grind:「凸形状」断面)

 

ブレイドが凸形状となっている。一般的にハマグリ刃と呼ばれていますが、ハマグリ刃は区分上コンベックスグラインドですが、ハマグリ刃はハマグリ刃でコンベックスとは少し異なると思います。

コンベックス形状の定義が曖昧です、ただ凸形状といっても起点、曲率、エッジからの距離とエッジアングルとか明確な定義は有りません、一般的な斧(木工用を除く)は大きなコンベックス(曲率が小さい)ですが、日本刀や出刃包丁のハマグリ刃は わずかなコンベックス(曲率は大きい)です。
(斧にはハードウッド用とかソフトウッド用エッジゲージは有ります)

・エッジ(刃)が最も強く かつ耐久性が高い (だから日本刀はハマグリ刃)
・カットに強み
・研ぐのにある程度の技量が必要
・安いナイフはオピネル位で一般的には価格が高い

ナイフマニアにはコンベックス_ピュアリスト(covex_purist 、コンベックス至上主義者)が多いですが、私は違いますヨ!。

コンベックス_グラインドのナイフはバークリバー(barkriver)やファルクニーベン(fallkniven)が有名ですが、オピネルもコンベックスです、フルフラットグラインドでは有りません。
実際 ブレイドに物差しを当てて見れば わずかなコンベックスで有ることが分かります。

(opinel no-8 carbon 刃厚=1.6mm)

(opinelのサイトより:コンベックス_プロファイル(convex profile)と書いています)

 

 

 

 

 

ファロゥ(ホロー)_グラインド(hollow_grind:「凹形状」断面)

ブレイドが凹形状になっている

・スライスやスキニングに適する
・ハンティングナイフでは定番
・剛性は低い、ハードな使用には向かない

(buck 110(ワンテン) folding hunter 刃厚=3mm)

 

 

 

非対称グラインド(asymmetrical grind)

 

次にブレードが左右非対称の物です

チゼルグラインド・片刃が代表的な物ですが、セレイテッドエッジに使用されているフラットグラインドの左右違いや、一部の日本刀(片切り刃造り)に影響された左側フラットと右側コンベックスを組み合わせたグラインド、その他エッジの中心を左右のどちらかにズラす物も有ります。

また チゼルグラインド(片刃)には裏スキの有るもの、無いもの、裏スキが有っても 裏オシの無いもの も有ります。

 

チゼル_グラインド(chizel_grind) 片刃

切れ味は非常に良いが真っ直ぐ切れない
・最も研ぎやすい
・日本料理には必須、スライスには最強

 

片刃のナイフと言うか 包丁の分類になるかも知れませんが 「マキリ」です、一般的には漁師マキリとして普及してます。
(炭素鋼材で、海で使えば錆ますが、錆びれば研げば良い、切れ味と研ぎやすさ で使われています)
このマキリは2k円程で 裏スキが有り 切れ味バツグンで研ぎやすく 非常にコスパの良い物で、
アウトドア用ナイフとして十分使えます。

(正広作 マキリ 刃長=135mm 刃厚=3mm)

 

 

 

 

エッジ ジオメトリー(刃先_諸元)とは

 

エッジ_ジオメトリー(edge_geomtry)とは直訳すると「刃先の幾何学」で 日本語としては「刃先の断面形状と傾斜角度」とか「刃先の諸元」となります。

(刃先構成という言葉を使っている方もいますがこの訳は適切で無いと思います)

(参考:切削加工の知識がある方ならご存じと思いますが「構成刃先」(built_up_edge)という専門用語が有ります、これは工具(ドリル・旋削チップ等)で金属を切削する場合に,ある切削条件(一般的には低切削速度)で,刃先 に生じる非常に硬く(加工硬化するため)て小さい凝着物の事をいう、これが発生すると工具にも加工物にも有害。刃先構成 まぎらわし言葉と思います)

また エッジ_ベベル(edge_bevel)という表現もありますが、最近はエッジ_ジオメトリーと表現する方が一般的です。

 

 

エッジ_ジオメトリー(edge_geomtry)の種類

 

 

エッジ_ジオメトリーには4種有ります、
セカンダリーベベル(secondary_bevel)は2mm程度から0.1mm程度の長さです、
マイクロベベル(micro_bevel)はギリギリ肉眼で確認できる0.1mm程度か それ以下の長さです、基本 ハンディ顕微鏡(100倍程度)以上の物で確認しないと分かりません。

またセカンダリーベベル、マイクロベベルは研ぎ方により「Vエッジ」と「コンベックスエッジ」の2種類有ります。

セカンダリーベベル、マイクロベベルを付ける目的は エッジ(刃)を強化して 刃持ちを良くすること。
セカンダリーベベル部だけを研げば またナイフが元の状態に戻り全体を研ぐ必要が無く効率的。
但しマイクロベベルは無い方が切れ味は良いが刃持ちは悪くなる。

 

 

 

ブレードジオメトリーとこれらが組み合わさると 非常に多くの種類の特性を持ったナイフが存在します、このため ナイフに対するいろいろな意見が存在します。

(日本語ではセカンダリーベベル、マイクロベベルに相当する言葉として小刃、糸刃が有りますが、意味は同じ?、違う? と いろいろ意見があるので 英語のままとしています)


それぞれ一長一短有り、自分の好み、使用目的、ナイフの諸元(ジオメトリ・鋼材・熱処理)、自分の研ぐ技術 に合わせて選択して下さい。私はナイフによって下記4種類すべて実戦しています。

 

①プライマリーベベルのみ【シングルベベル】
・フラットグラインドのスカンジやチゼルグラインドでは切れ味抜群、いわゆるキンキンのエッジ(刃)ですが エッジがチップ(欠け)やロール(めくれ)し 刃持ちは非常に悪い(頻繁に研ぐなら良いが)
⇒ナイフ鋼材・熱処理、3次元研削盤の進歩で過去の常識は変わりつつあるようです。

本来のスカンジ_グラインドはこのタイプでフルスカンジ とか スカンジゼログラインドと呼ばれています、私が所持しているスカンジグラインドのナイフは何れも顕微鏡で確認するとマイクロベベルが付いていました。
・コンベックスグラインドでは本来の姿

②プライマリーベベル+セカンダリーベベル【ダブルベベル】
・このタイプが最も一般的
・セカンダリーベベルをコンベックスにする方法も有り
・オピネルはコンベックスグラインドでセカンダリーベベルが付いています、これはブレイド厚さが薄く(1.6mm)切れ味が良いので より刃持ち向上と研ぎ易すくするため と考えられます。

③上記②+マイクロベベル
・ダブルベベルナイフの「有るべき姿」 

④プライマリーベベル+マイクロベベル
・フラットグラインドのスカンジやチゼルグラインドでは有った方がハードに使える
・マイクロベベルが有るコンベックスグラインドは 無い物よりハードに使用できるが 元々コンベックスのエッジは強いので 付ける意味は無いように思います。
(ナイフ製造上付けた方が ブレイドジオメトリーのバラツキが少なくなるので 付けている可能性が有ります)

 

 

 

 

 

 

エッジ_アングル(edge_angle) 刃先角

エッジ_アングル(刃先角)を知ることは ナイフを研ぐ際に非常に重要なことです。
注意点として

・エッジ_アングル(刃先角)は両側角度で表示される場合が多いですが 片側で表示されているものもあります。(エッジ先端部の角度(頂角)はエイペックス(アペックス)_アングル(apex_angle)とも呼ばれています)
両側角度:inclusive,on both sides
片側角度:exclusive,per side,DPS(degree per side)

・研ぎ角はエッジアングル(両側角度)の半分ですが、片刃(チゼルグラインド)はそのままの角度です。

・基本はエッジアングルの半分=研ぎ角ですが、スカンジグラインドはベタ研ぎになるので それより少し大きい角度で研ぐ場合も有ります、HELLEはそれを推奨しています。

 

主要なナイフメーカが公表しているエッジ_アングルを表にしましたので 研ぐ際に参考にして下さい。
エッジ_アングルを直接測定する方法としては
・エッジアングルゲージ
・プロトラクター 
が有ります、私が使っているエッジアングルゲージは5度単位、プロトラクターは木工工作用に購入した物で2度単位です、今度買う時はデジタル式にする予定です。
私がナイフを研ぐときは『プロトラクターで研ぎ角をセットし砥石上でナイフの研ぎ角を決めて10円玉を積みその位置と枚数をメモってから』研ぎます。
プロトラクターは安い物だと1K円以下で有りますので所有を超オススメします。

 

 

最後に

 

繰り返しになりますが、

最も重要な事はブレイド_ジオメトリー(刃_諸元)及びエッジ_ジオメトリー(刃先_諸元)は別物であること、

いろいろな組み合わせが有り、それぞれ一長一短有り、自分の好み、使用目的、ナイフの諸元(ジオメトリ・鋼材・熱処理)、自分の研ぐ技術 に合わせて選択して下さい。

これらの知識は「ナイフの選定」や「ナイフを研ぐ際」に非常に役立つことです。

以上 本件については いろいろな意見があります、あくまで私見で【備忘録】です。

今後 ナイフ研ぎについても書く予定です、長文を読んでいただき ありがとうございました。

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