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【ナイフ研ぎ】:『ストロップ』の超基本:「ビギナーからベテランまで」: レザーストロップ(革砥)の使い方 : いろいろなストロップ&コンパウンドを紹介

【ナイフ研ぎ】:『ストロップ』の超基本:「ビギナーからベテランまで」:  レザーストロップ(革砥)の使い方 : いろいろなストロップ&コンパウンドを紹介

ナイフも趣味のhera-tanishiです。

どんなスーパースチールブレードのナイフでも 使ってれば必ず研ぐ必要が有ります、ナイフを研ぐ際の最終仕上げは『ストロップ(strop)』と言われている工程です。

一般的に良く使用されている#1000程度の砥石で研いだだけのナイフでも十分に使用できますが ストロップすると非常に切れ味が向上します。

このため この技術を習得することは非常に有用です。

最新技術を屈指して大量生産しているカミソリも革砥(かわと)でストロップしています。貝印のホームページ:カミソリの製造工程

 

今回はこの『ストロップ』の超基本についてです。

 

【第5項の革砥の使い方が最も重要】

 

ストロップとは

 

ストロップはポリッシング加工(polishing)の一種です、

ポリッシング加工とは 専門的に言えば遊離砥粒方式を用いた研磨法の一つで、

ポリッシャーと呼ばれる革、布、樹脂等の軟質工具と砥粒(研磨材)を用いて一定圧力の元これらを相対運動させることで研磨加工する方法で加工量は一般的には数μ(ミクロン)です。

注)これに対してラッピング加工(lapping、wrappingでは有りません )は同様な研磨加工ですが ラップと呼ばれる金属(定盤・棒)等の硬質工具を用いるところがポリッシングと異なる点で加工量はポリッシングより多い。
高精度ライフル銃やエアーライフル銃のバレル(銃身)はラッピング加工してガンドリルやガンリーマのツールマーク及びライフリングのバリを除去してバレル精度を向上しています。

 

ナイフの場合で言えば  切れ味をより向上させるため最終の仕上げ工程のことです。

単にバリ取り工程のためだけの場合も有れば、ウルトラ_ファイン_ストロップと呼ばれる超仕上げ(15000番以上)も有ります。

 

切れ味を向上させる方法としては仕上げ砥石の番手を上げていく(8000番以上に)方法も有りますが、仕上げ砥石は番手が上がるほど非常に高価かつこれらの超高番手での仕上げ研ぎには高度な技術が必要なため、

ストロップの方が手軽で操作難易度が低くく一般的です

 

ストロップの目的

 

ナイフの切れ味を向上

 

ストロップは下記理由によりナイフ切れ味を向上させる。

注)ナイフのジオメトリについては私の過去ブログを参照して下さい。

 

エッジに残っているバリを除去

エッジの先端部及びその付近に付着している大小のバリ(カエリ)を除去

 

エッジ先端部付近を尖らせる

エッジ付近をポリッシング研磨で削り取ると同時に僅かに塑性変形加工(バニシング)させてエッジを尖らせます(新しいエッジを作る)。

但しストロップのやり方を間違えたり あまりに回数を重ねるとエッジ先端部は逆に丸まってきます(理由は後述)。

 

どんな刃物でもエッジ先端部はR形状です、最新のカミソリの先端Rは数十nm(ナノメータ。1nm=1/100万mm)です。
仕上げされた先端部をほんの少しだけ研ぎすますのがストロップです。

 

エッジのうねりを真っ直ぐにする

ナイフを研ぐとエッジの側面部と先端部はうねって(でこぼこして)いますが、ストロップで真っ直ぐに再整列されます。

 

ベベル面を平滑化・面粗さ向上

上記の3項目の効果と重複しますがベベル面(ex:フルフラットグラインドのセカンダリーベベル等)をポリッシング研磨により平滑化、面粗さを向上させ鏡面化します。

鏡面化すると接触抵抗が減り切れ味が向上し錆びにくい効果が有ります。

 

 

 

タッチアップとしても使用可

 

ナイフを使って少し切れなくなったからといって いちから研ぎ直す場合『下記1項』と 簡易的に研く『タッチアップ』という工程を入れる場合『下記2項』の二通り有ります、

下記2項が一般的です。

 

1.ナイフ使用⇒ナイフ研ぎ⇒ナイフ使用⇒ナイフ研ぎ⇒・・・・・・・・・・

 

2.ナイフ使用⇒ナイフをタッチアップ(1から数回)ナイフ研ぎ⇒ナイフ使用⇒ナイフをタッチアップ(1から数回)ナイフ研ぎ⇒・・・・・・・・・

 

注)ここで言うナイフ研ぎは砥石を使って研ぐこと

 

ナイフ用語でのタッチアップとは

鈍ったエッジ(すり減ったりロールや潰れた刃先)を一時的に荒らしたり、軽く研ぐ直すことにより切れ味を復活させること。
 本格的に研ぐ場合は研ぐ機器の準備 時間 労力が掛かるが タッチアップは手軽にやる工程のことを言います。

タッチアップツールにはホーニングロッド(セラミック製ロッド)、小型の砥石、簡易シャープナー(包丁研ぎ器等)、ストロップ等々有ります。

『V型に砥石を配しただけの安物の簡易シャープナー』でのタッチアップはロールし易い柔らかい材料(HRC52~58程度)のエッジを荒らすには適していますが、硬い材料(HRC58~)の場合はエッジを傷める場合が有ります(回転する駒砥石使用の簡易シャープナーは多少ましですが)。

その点ストロップでのタッチアップは柔らかい材料、硬い材料関係無く適用出来ます。

 

 

ストロップの種類

 

一般的には革砥(leather_strop レザーストロップ かわと)が最も使用されています。

革砥

 

パドルストロップ(Paddle strop)と呼ばれる木材に革を貼り付けたものと ハンギングストロップ(Hanging strop)呼ばれるベルト状の物が有ります。

革は牛革が一般的です、高級品としては馬革の物も有ります、革は床面(とこめん、裏面のこと)側を使用するが一般的です。銀面(表面、スムース面)を使用する場合もありますが これは主にコンパウンド(研磨材)を使わないストロップに使われます。

ナイフ用としてはパドルストロップが一般的で 寸法は下記が4″(102mm)前後ブレードナイフの標準的な物です、ナイフが小型ならもう少し小さいサイズでも良いです。

牛革で床面使用、革サイズが 幅=1.75”~3”(44~76mm)✕ 長さ=8”~12”(203~305mm)、革厚=0.9~3.2mm、板厚=0.75″~1″(19~25mm』 

 

 

パドル_ストロップ
革寸法:左側=幅60mm・長さ=270mm、右側=幅50mm・長さ=300mm。何れも板厚=25mm

 

バー_ストロップ
φ15mm・長さ250mm
エッジが内側にアール形状となっている『リカーブ』ブレードのストロップに使用

 

パドルストロップは簡単に自作できます(、次項参照)

 

既製品としては 下記2点が有名です、

・アメリカのナイフ_ウエブショップとして有名な「DLT-Trading」が販売しているもの

DLT XL Double Sided Paddle Strop : $25.95 : 革サイズ=51mm×305mm 革は両面床面、板厚=25mm

・日本の「ブッシュクラフトInc」.が販売しているもの

オールサイドパドルストロップ  ¥3k(税抜): 革サイズ=50mm×300mm 革は4面床面、板厚=25mm

小型になりますが¥1k以下の安価な物がアマゾン等から販売されています、但し片面が銀面の物もありますので選ぶ際は注意してください。

 

 

 

ハンギング_ストロップで有名なものは

現在唯一国内生産している革砥です、また世界的にも有名な『カノヤマ_コードバン』いうのが有ります、プロの髭剃り用です、

馬革で#2,000~#80,000 10k~44k円です。:「刃物のフルカワ」ホームページ 理容刃物 より

 

 

 

 

 

 

革砥の作り方

 

革砥の自作は簡単にできます、

1.必要な物

・牛革 :革の方向が揃っていて、繊維が微細なもので 出来るだけ硬い物が良い(厚さ1~3mm)、硬さが分からなければ出来るだけ薄い物が良い、理由は後述します。
・牛革は植物性タンニン剤でなめしたヌメ革タンローをオススメします、手芸店で購入できます。

・接着剤もしくは両面テープ: 私は革との相性が良い「木工用ボンド」を使っています。

・木材 : できるだけ平面な物、ホームセンターで他の木材(複数)と合わせてみて確認します、幅は50~60mm、板厚は20mm以上、必要な長さ200~300mm(手で持つ部分は好みで追加)✕本数+1本分余分に。

 

2.作り方

・革を必要な分だけカット(革の方向を同じに

・木材を必要な分だけカット

・木材に木工用ボンドを出来るだけ均一に塗る(100円均一の木製スティック等で)、両面テープの場合は段にならないように貼る

・革の床面を上に木材に貼り付ける

・同じサイズの木材(このため1本余分が必要)を上に乗せて2~3個のクランプで均一に締める、クランプが無ければ本等の重しを乗せて均一に押さえる

革を均一に貼り付けることが重要です。

 

革以外のストロップ

 

革以外にも 調べると いろいろ有ります。

布系では

 

以下の3種は内外のサイトでも紹介されています。

・デニム
  日本の超高級ファクトリ_ナイフメーカ 「ロックステッド Rockstead」が デニム+ピカールでのメンテナンスを推奨しています(英語です)。
 「デニムに ピカールを塗った後 乾かしてからストロップする」
「Rockstead  knife」ホームページ(日本のメーカですが 英語・ロシア語の表示です)より: Maintenance
こんな高いナイフ 私には買えません!

・リネン

・キャンバス
 ハンギングストロップの片面に使われることも有ります。

 

 

 

以下 やったことが有りますが 何れもストロップできます。

・フェルト

「100円均一の裏にシールのあるフェルト」です。安くて簡単に木材に貼り付けれるのが最大のメリットです、一応使えますが柔らか過ぎます。

 

 

・磨きクロス

自宅近くのホームセンターで見かけたので使ってみました。
革砥用の木材の上にセロテープで固定して(両面使えるので)使っています、こいつは使えます、粒径1ミクロン(#12000程度か)。
「FUJI_STAR ミラクロス 硬めの金属みがき」
高番手のストロップをたまにしか行わない人向けです。

他メーカの同様な物も使えると思います、選定はできるだけ薄いクロスの物が良いです。

 

 

 

木材系

海外のサイトでは木材に直接コンパウンドを塗ってストロップする方法も紹介されています。

・バルサ
 ダイヤモンドペースト(スプレー)と相性が良いようです、アメリカのダイヤモンドシャープナーメーカ「DMT」社が推奨しています。
「 DMT」のホームページより: いろいろなダイヤモンドシャープナーの使用方法 video library

・MDF(Medium Density Fiberboard 中密度繊維板 木質繊維を原料とする成型板の一種、ホームセンターで売っています)
同上です

 

紙系

 

 

・新聞紙

これは包丁研ぎの後にバリ取り用として使っている方が多いと思います。

紙の繊維は非常に丈夫なセルロースでできています、またインクの成分にリン酸カルシウム(骨の主成分)や酸化物が有り これらが研磨材としている働いているようです。

私はパドルストロップ用の木材に新聞紙1枚をぐるっとまいてセロテープで固定して使っています。研磨力が低いので回数を多く行う必要が有ります。

⇒最も安価なストロップです、#1000程度の砥石で研ぐ⇒「新聞紙ストロップ」⇒青棒(#3000)やピカール(#4000)でレザーストロップ がオススメです。

 

 

 

コンパウンド(研磨材)

 

コンパウンドの注意点

 

第一に粒度(粒径)と 砥粒の材料(硬さや研磨力、メーカで決まる)です。【粒度(#___)の数字が大きくなるほど粒径は細かくなります、#1000より#2000の方が細かい

ストロップのコンパウンドの粒度はナイフを研いだ最終の粒度と同等以上です。

粒度を上げるため2回以上コンパウンドを変えてストロップする場合も有ります(#2000で仕上げ砥石⇒#3000でストロップ⇒#12000でストロップ 等)。

ストロップの同じ革面に粒度の異なるコンパウンドを塗り重ねてはいけません、複数のコンパウンドを使用する場合は その数分のストロップの革面数が必要です。

また 粒度を換えてストロップする際はナイフもキチント拭いてから 次のストロップをすること。

コンパウンドは人体に有害な成分を含んでいるので ストロップしたナイフを食材に使用する場合は食器用洗剤(肌にもナイフのハンドルにも優しい中性の物)で洗浄して下さい。

注)コンパウンドも砥石も粒度(粒径)は基本同じですが、メーカによって粒度、粒径に幅が有りますので単純に粒度が同じだからと言って粒径が同じとは言えません。このため#5000仕上げ砥石⇒#3000ストロップもあり得ます。

 

 

ポリッシング用

 

ポリッシング用(ストロップ用)として販売されているものを使うのが一般的です、

青棒(固形)、ピカール(液体)を使っている方が多いと思います。

・青棒   :#3000   (100円均一でも売っています、いろいろなメーカから販売されていて性能も異なるものが有ります)

 

 

・ピカール :#4000 (研磨材は酸化アルミニウム(アルミナ)系 3μ、普通の缶入り・チューブ入り平缶入りは#1500_10μと荒い)

 ⇒私はピカールをオススメします、その理由は ピカールは安くて その砥粒は砕けて細かくなるタイプのため 使っていると粒度が上がります(#4000⇒#8000程度以上に)ので これ1本あればほぼ何でも適用出来ます。

ピカールを少量 革にたらして『100円均一の木製スティック』で均一に塗っていますこれを使えば指でピカールを塗る必要が無く かつこのステックは使い捨てできて便利です、オススメします。

欠点は 匂いかな、

ピカールを革砥に塗った直後は少しベタつきますが そのままストロップしても問題有りません、ただナイフを頻繁に拭く必要は有ります。

ピカールを塗って少し乾かした後にストロップする方がやりやすい。

 

 

 

 

その他固形タイプでは

赤棒    :#300
白棒・黒棒 :#1200

 

 

有名なバークリバー(Bark River)製(DLT_Tradingが販売)
黒:#3000  : $13.95
緑:#6000  : $13.95  : (国内では評判は良くないですね)
白:#12000 : $14.95
私はDLT_Tradingからナイフを買ったついでに黒と白を買いました、両方とも評判通りの良いコンパウンドでオススメ出来ます、ネックは入手性が悪いこと、アマゾン日本で買えますが高いです。

このコンパウンドと一緒にストロップのやり方の説明書が入っていました、私が今までやっていたことと同じようなことが書かれています、後述します。

 

 

以下 ネットで評価の高いコンパウンド

日本の「ブッシュクラフトInc」が販売しているもの、
赤  #600
青 #1200
黒 #3000
緑 #6000
白 #12000
アルミナ系 いずれも液体タイプ 100g ¥1.3k(税抜)です。

 

 

三共コーポレーションが販売しているもの
H&H 半練コンパウンド ステンレス用 G100G 
#8000 酸化クロム、アルミナ系 100ml ¥1k程度

H&H 半練コンパウンド 貴金属用 G100B
#15000 アルミナ系               100ml ¥1k程度

 

 

 

 

SK11が販売しているもの
液体研磨剤 コンパウンド 貴金属用  #10000~#15000相当
アルミナ系、50CC ¥0.8K程度
追記)近所のホームセンターに¥0.5で売っていたので 使って見ました ピカールより細かい粒子で これもオススメできます。

 

 

 

 

今後 テストしてみたいと思っているのが 下記2点です、いずれも研磨力が高いので 仕上げ砥石工程の省略やストロップ回数を減らせると思います。

ダイヤモンド_ペースト : 最も研磨力が有り 国内外いろいろ有り入手性は悪くありません ネックはコストです。

CBN_エマルジョン   : これもバークリバー製をDLT_Tradingが販売してしています、0.5μ(#32000)~8μ(#2000) 1オンス(28g)が$29.95 これも安くは無いです。

注)刃物研ぎにダイヤモンド砥石が普及していますが、工業的に鉄系機械部品の加工にはダイヤモンド系工具は使われません、これはダイヤモンドと鉄(酸化鉄)の相性が悪いためです このためダイヤモンド系工具は非鉄材料(アルミ、ガラス、超硬、等)しか使われていません、それなのに「なぜ刃物(鉄系の)研ぎにダイヤモンド砥石が使用されるか」 というと、それは工業的な切削と比べてあまりに切削速度が遅いのと切削代が少ないため 相性の悪さが表面化しないのです。  工業的には鉄系機械部品 特に高硬度部品の加工にはCBN(Cubic Boron Nitride 立方晶窒化ホウ素 商品名=ボラゾン)が多用されています。何れも価格が高いのがネックです。

 

 

 

身近に有る物

 

身近にある研磨材(剤)入りの物を 数年前ですがテストしてみました、いずれもストロップ出来ました。

・クレンザー 
研磨材は炭酸カルシウム(貝殻の主成分)  粒度15ミクロン程度か
こいつは一応使えます。

・歯磨き粉 :
研磨剤(清掃剤とも表記)は含水ケイ酸 酸化チタン 等々、また研磨剤が入っていない物も有ります。
研磨剤入りの物なら一応使えないこと有りませんが ストロップ回数を相当数行わなければなりません(テストした際は片面30回位やりました)、ただ今回紹介するコンパウンドで唯一口に入っても安全な物です

・メラミン_スポンジ  :
気持ち#2000くらいか 、水を含ませてこれ単体で使います(コンパウンドではなくストロップですね!)。これも一応使えますが 非常に柔らかいのでナイフを浮かしてストロップしないとエッジが丸まります。

 

 

革砥(パドル_レザーストロップ)の使い方

 

最も一般的な革砥(パドル_レザーストロップ)使い方は

【キチント仕上げ砥石で刃付けを行った後に 仕上げ砥石以上の番手のコンパウンドでストロップをすること】

➀コンパウンドを塗る
均一に塗ること、液体タイプは 私の場合 木製スティックを使っています。(少し乾かしてから使用する方が良い)
固体タイプはチョークのようで少し塗りにくいですがそのまま塗っています(油等は使う必要は特に有りません)。

➁ナイフを動かしてストロップ

・ナイフを動かす方向
 エッジからスパイン方向【いわゆるスパイン_ファーストで】、ヒールからティップ(ポイント)に向って円弧を描いて一回でエッジ全体を、ベリー部(エッジの曲線部)はナイフをほんの少し持ち上げて均一に当るようにストロップします。ナイフの反対側も同様。

・ナイフの角度
 砥石で研いだ研ぎ角(刃先角の半分)と同じです革に向ってナイフを強く押しつける必要は有りません 軽く支えて居るだけです、200g程度以下です】。このため重いナイフは逆に少し持ち上げる感じとなります。尚 45°を超えるような大きな角度は厳禁です。(バークリバーのコンパウンドの説明書にも上記と同様に 軽く行うこと、45°以上の角度でやってはいけないことが 書かれています)

 ストロップ角度:モーラ等スカンジグラインドのナイフ=10~14°、 一般的なフルフラットグラインドのナイフ=15~20°

ストロップを横に置いて「X」字を描くように行う方法も有ります。

下図は誇張した絵ですが、エッジに対して『革は柔らかく弾力があるためエッジは革に沈み込みます』、ナイフはエッジからスパイン方向(緑色⇒)に動かすため エッジ先端部をアール(丸める)にしようとする力(赤色↻)が働きます。⇒革は硬くて薄い方が沈み込みが少ない

このため ナイフに強い圧力をかけて動かすとエッジは丸まっていく速度が上がります

 

しかし この沈み込みがあるため 圧力をかけ過ぎても多少角度が異なってもストロップされます「砥石で研ぐより許容範囲が広い」、これが初心者にもストロップが簡単にできる理由です。
但し間違った方法でストロップを繰り返していると数回でエッジが丸まってしまいます。

 

 

・ストロップの回数は片面数回で十分です(ナイフをキチント研いだ後なら
 切れ味を確認し不足なら回数を増やす

 

 

どうしても ナイフを軽く支えてストロップするのが やりにくい、 ナイフをどうしても強く革面に押しつけてしまう場合の対処方は ストロップする角度を砥石で研いだ『研ぎ角(刃先角の半分)より少し低い角度』でやれば エッジ先端が丸まる速度を抑えることが出来ます。この場合 革を傷めやすくなること 革を貼っている板がたわむとエッジが丸まりやすくなるので剛性を上げておく必要が有ります(あまりに薄い板厚の物は避けて下さい)。

 

革砥のメンテナンス

 

革砥の保管は少なくとも袋に入れて ほこりやゴミが付着しないようにして下さい。
海外のサイトではダイヤモンドやCBNを使っている革砥、他(木材等)のストロップはジップロックに入れての保管を推奨しています。

 

・コンパウンドを使用している革砥:
革がだんだんと目詰まりします、目詰まりしたら ワイヤブラシで軽く革を荒して同時にカスを出しています。
ブラシは100円均一の物で十分です。

 

・コンパウンドを使用しない革砥
椿油を1回/半年塗っています。

 

 

ストロップの注意点・まとめ

 

ストロップは切れ味向上といった良いことだけでは有りません、先に述べたようにだんだんとエッジが丸まってきます、かつ 革の品質・寸法、革を貼り付けている板の面精度・剛性、ナイフのストロップ角度、革にかける加圧力 等々 でエッジの状況が微妙に変わり 精密なエッジのコントロールがやりにくい 欠点が有ります、このため和式刃物はストロップは行っていません。

また ストロップはメーカ製、自作いろいろ有り 革やバックプレート材の状態がバラバラで かつコンパウンドもいろいろ有り、砥石より 変動する要素が非常に大きいので 自分のストロップに合わせてトライ&エラーで最適解を見いだすしか ありません。このためいろいろな意見が存在します。

 

しかし 繰り返しになりますが 「革砥の使い方」のところで述べた、『ナイフの研ぎ角でナイフの自重程度の加圧でストロップする』が大基本です

 

また ナイフブレードがVエッジ、コンベックスに関係なく 『ストロップすれば マイクロ_コンベックス_ベベルが必ず付きます』、コンベックスエッジにVエッジのセカンダリーベベル(マイクロベベル)を付けているナイフに対して うまくストロップすれば コンベックスエッジの曲率にあったマイクロコンベックスエッジになり Vエッジのセカンダリーベベルを無くすこともできます、ただしハンディ顕微鏡等で確認しながら慎重にストロップする必要が有ります。

 

 

ビギナーの方
ぜひストロップをやって見て下さい、驚くほど簡単にナイフの切れ味が向上します。
最も安価で手軽に行う方法:#1000程度の砥石⇒新聞紙ストロップでバリ取り⇒ピカール(#4000)でレザーストロップする

 

ストロップを既にやっているが うまくいっていない方
もう一度 基本を確認してください⇒ナイフを強く押してストロップしていませんか?

 

マニアックな方
ダイヤモンドペースト や CBNエマルジョンのコンパウンドをバルサ、MDF等で 使ってみてその結果を教えて下さい。

 

以上 あくまで私の個人的な見解をまとめたものです。

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  1. ナイフ初心者です。
    オピネルを頂いて、どうせなら使いこなしたいと思い、色々調べていたらここに辿り着きました。 いくつか質問させて頂きたいのですが、鏡面仕上げに挑戦したいのですが、セラミック砥石でも可能なのでしょうか?皆さん紙ヤスリで削って、最終的にピカールなどで仕上げてらっしゃるようなのですが、砥石だと細かく番号を変更出来ないので、仕上がりが微妙なのでしょうか?

    あと、オピネルと家庭用の包丁を研ごうと思い、砥石とストロップを買おうかと思うのですが、オススメのコンパウンドなどはありますか?砥石はオススメされている、1000番と5000番を買おうかと思っています。

    • ナイフ研ぎ初心者の方で「砥石で研ぎたい」と思っている方にオススメする物は 砥石はシャプトンのオレンジ#1000、面直し用に使うダイヤモンド砥石SK11の#150/#600、レザーストロップ(簡単に自作可,本文参照)、コンパウンドはピカールです。まず実際に研いで下さい、研ぎ角を一定に保ってキチント研ぐことは練習しないとできません【正直なところ簡単にはできません】、それで砥石がすり減ったらダイヤモンド砥石で面直ししてください【砥石が平面であることが非常に重要】、【キチント】刃がついたら新聞紙でバリ取り(ストロップ)し最後にピカール(#4000~#8000)でレザーストロップしたらエッジも鏡面になり切れ味バツグンのナイフとなります。これができてから より砥石の番手#2000~#3000、それから#5000~#6000を上げ(価格も高くなります)さらに#10000以上のコンパウンドを使用していけば もっと鋭い刃がつきます。ただ一般的な使用ではここまでは必要有りません。 

  2. お返事ありがとうございます。 道具揃えるより、まず腕をあげるのが先って事ですね。 形から入っちゃうのでついつい。 とりあえずは仰られた物を揃えてひたすら練習してみます。 ありがとうございました。 これからも更新楽しみにしてます! この度はありがとうございました。

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