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【ナイフ備忘録】モーラナイフ工場:【ナイフ製造の秘密は?】

【ナイフ備忘録】モーラナイフ工場:【ナイフ製造の秘密は?】

今回は 前回に続きナイフネタです。

モーラナイフの工場についての紹介(ヨウツベでの)と これらを見てモーラナイフ製造工程の秘密?についての私見をまとめました(備忘録)。

一言でいうと大ロット生産で非常に自動化された工場、だからスウェーデンで製造しても安くできる。

また工場内が非常に綺麗、動線が確保されている、安全に考慮されている、集塵機のダクト、ロボットの安全柵、騒音のある場所での作業者はイヤーマフ装着等々。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モーラナイフの工場 (ヨウツベで公開されているもの)

 

 

 

 

 

いずれも英語です

 

 

1.モーラナイフ社が公開しているもの

Japanese visits Morakniv   (2017-09-28公開) 日本語の字幕が有り 一見することをオススメします。

Visit  the  Morakniv Factory    (2017-5-15公開)

Welcom to Morakniv  (2016-6-15公開)

We are Morakniv       (2016-3-15公開)

 

 

 

 

2.ナイフマニアの方なら ご存知の 『Dutch Bushcraft Knives 』が公開しているもの

A Tour in The Morakniv Factory Rare Footage   (2017-7-24公開)

 

 

この中でモーラのプロダクションマネージャー トーマス・エリクソン

モーラナイフのブレード鋼材  ステンレス鋼はサンドビック社の12C27、炭素鋼はC100(1%カーボン、UNI(イタリー)規格材。AISI規格の1095と同等材)と答えています。

ちなみにC100の成分はC=0.90~1.05,Mn=0.30~0.60,Si=0.15~035,S_max=0.050,P_max=0.035
(CrもUHB20C材と同様に0.15程度添加されている可能性有り)

この材料はイタリー規格ですがドイツのC.D. Wälzholz GmbH で製造しています。

 

 

 

また 彼は モーラナイフは 「Value For Money」、「High Quality  No Bullshit  」を追求している と言っています、No Bullshit(うそ詐りの無い)良い言葉だ! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モーラナイフ:製造の秘密は? 私見

 

 

 

 

 

 

公開されているのは「公開しても問題無いこと、会社をアピールできる良いところだけ」 ということを頭の片隅に置いています。

 

モーラナイフ工場は125名の従業員で年間400万本のナイフを製造している(2017年)。

 

製造上の特徴【ナイフを安く安定した品質で製造するための工夫】

→キーワードは多量・自動化

 

 

 

大ロットのシリーズ生産方式で

ナイフ、ブレード単体の設備への取り付け、取り外しには4大ロボットメーカの一つであるABB(スウェーデン・スイス)社のロボットを屈指して自動化・省人化している
(4大ロボットメーカのうち2社 ファナック、安川電機 が日本のメーカです)

 

 

 

ナイフ鋼板がスケッチ材では無くコイル材を使用している、多量であれば専用寸法のコイル材として、
ナイフのブレード形状に合わせた材料寸法でナイフ鋼材歩留まりを上げることができる。
またプレスでのブレード打抜きのため切断時間が短い、かつコイル材のため長時間自動運転ができる。
ただコイル材を使用すると残留応力のため熱処理時の変形が大きくなる可能性が有る。
また炭素鋼はステンレス鋼に比べ安い。

 

 

 

熱処理について
加熱温度は800℃~1100℃。800℃は炭素鋼(C100)の場合で実際はもう少し低い温度で処理していると推定、
1100℃はステンレス鋼(12C27)の場合でこれも実際はもう少し低い温度で処理と推定(サンドビックは1080℃を推奨)。
加熱荷姿は熱処理歪み低減のため「立てる」か「吊る」方法で、セットにロボットを使用。
熱処理炉は連続炉とバッチ(真空)炉。

 

 

 

焼入れについて
焼入槽からのメッシュコンベアから出てくる画像を見ているとブレードは一本毎の焼入れで 焼入れ剤には焼入れ油と水溶性(ポリマー)焼入れ剤の2種類があると推定、ステンレス鋼は油焼入れで炭素鋼は水溶性焼入れ剤と推定。
モーラが使っている炭素鋼は油焼き入れでも、ブレード厚さが数mmなら十分焼きが入るが、より良く焼入れをするためには水焼入れとしたいが、水焼入れにすると 焼入れ歪みが大きく、また焼き割れの可能性がある。
このため焼入れ時の冷却能を(水と油の冷却能の間で)調整できる水溶性(ポリマー)焼入れ剤を使用しているのでは と推定。この辺がモーラナイフの炭素鋼ブレードの良さの『秘密のレシピかも』?。

→ガッチリ焼入れして焼戻し温度で硬さを調整するのが熱処理の王道。
→鋼材の成分・焼入れ性バンド、焼入れ前組織も重要でコイル材の組織・結晶粒度・圧延方向等を購入仕様で規定か?

 

 

 

 

 

ブレード研削にはNC研削盤でブレードの設備への取付け・取外しもロボットで実施している、片面毎に研削。

仕上げのベルトグラインダーはロボットで実施、ロボットの位置決め精度、繰り返し精度、ベルトのテンション等の条件設定が難しい、ナイフのエッジ品質を安定して製造するためには相当なノウハウが必要。

 

 

 

 

 

ナイフの樹脂ハンドル製造のためモールド型への取り付け・外しもロボットを使用しさらにシースにナイフを装着するのにもロボットを使用している。木製ハンドルはブレードに手動で装着している。

 

 

 

→はじめの写真にあるように私のナイフ(コンパニオン_ヘビーディーティ)のポイント部の左右のグラインドが多少ズレています、不良とは言いませんが・・・安いですから。

 

 

 

 

モーラの製造工程から考えられる原因は
・ブレードのプライマリーベベルを研削している研削盤にナイフブレードが正しい位置で取り付けられていないため左右でズレが発生。
次のことが考えられます、
①ブレードに研削基準がある場合、ブレードを打ち抜いた時の研削基準場所の打ち抜き精度のバラツキ、バリ、型摩耗による寸法変化、に 熱処理でのバラツキが加わり 発生。
②研削盤の治具はただ ブレードをクランプするだけなら、取り付け時 ロボットの位置決め精度のバラツキ で発生 。

モーラさん もっと加工精度上げて下さい!!

 

 

 

 

 

モーラナイフ
木工加工用ナイフはスカンジ_ゼロ_グラインドですが、
通常のナイフはマイクロベベル付きです、しかしながらマイクロベベルが(ほとんど)無い物もあるのは製造のバラツキと考えられます。
ただ価格を考えれば許せるレベルと思います。

 

アウトドアをやる方がナイフを買う場合の最初の1本はモーラナイフ、それも炭素鋼ブレード品にすることを強くオススメします。(海での使用ならステンレス鋼)

 

以上 モーラナイフ工場をヨウツベで見た 製造工程に対する私見でした、あくまで私見で備忘録です。

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