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【レギュレータ付きプリチャージ空気銃(PCPエアーライフル)の 良い点・悪い点・注意点】:FX クラウン 6.35mm

【レギュレータ付きプリチャージ空気銃(PCPエアーライフル)の 良い点・悪い点・注意点】:FX クラウン 6.35mm

私が所持している2丁のPCPエアライフルのうち エアアームズ_S510 5.5mmにはレギュレータが付いていませんが 2019年度猟期から実猟投入しているFX クラウン 6.35mmにはレギュレータが付いています。

実猟でこのクラウンを使用して いろいろなことが確認できたので、 レギュレータ付きエアライフルの良い点、悪い点、注意点をまとめてみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レギュレータとは

 

 

 

 

PCPエアライフルに装着されているレギュレータはエアータンク(ボトル、チューブ)からの圧力を『セットされた圧力に減圧する装置』のことです。

銃という限られたスペース、小型軽量化のため コイルバネでは無く『皿バネ(ディスクスプリング、ベルビルスプリング)を使ったピストンタイプ』のものが一般的です。

また レギュレータはセット出来る圧力の範囲が有ります、クラウンの場合は55~150barです。

 

(FXAIRGUNSのホームページのSUPPORTより
クラウンのパーツリストの抜粋。no27がピストンです、皿バネは省略されています)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プリナムとは

 

 

 

 

レギュレータ付きエアライフルで重要な要素は『プリナム(PLENUM:プレナム、2次室とも言う)』です。

プリナムとはレギュレータでセット圧に減圧されたエアが溜まっている空間のことです、すなわち『レギュレータ(エアがある空間)からファイヤーバルブまでの体積』です。

(プリナムが何ccあるかは 殆どのエアライフルメーカ、レギュレータメーカは公表していません、クラウンは25cc程度と言われています)

 

 

 

尚 レギュレータが付いていないエアライフルにはプリナムは有りません、エアタンクの圧力がそのままファイヤーバルブにかかっています。

 

 

1発発射する際のエアのエネルギーは温度が一定なら圧力と体積(吐出量)で決まります 同じレギュレータ付きエアライフル(プリナムが同じ)で 口径が大きいと大きなエネルギーが必要なため レギュレータのセット圧を上げるのは このためです。

但し セット圧を上げるだけではパワーアップに限界が有ります、プリナムを増やす必要が有ります。(もちろん ハンマー重量、ハンマースプリングテンション、ファイヤーバルブ径も関係します)

 

また 同じペレットで同じ弾速でも銃によってレギュレータのセット圧が異なるのは このプリナムが異なる(プリナムが大きいとセット圧を下げることができる)か、ファイヤーバルブからブリーチまでのエアの流路抵抗が低い(効率が高い) ことが考えられます。

 

 

例えばマタドールやクリケットはクラウンよりプリナムが大きいか流路抵抗が少ない銃と思います。

⇒レギュレータ圧130bar 6.35mmの25.4grで950fps、クラウンだとこのセット圧では無理。

 

 

海外ではクラウンのブリーチブロック(機関部)のファイヤバルブ周辺を機械加工で広げてプリナムを増やしてハイパワー化改造(スラッグ対応)も行われているようです。

 

 

 

大きなプリナムは『ハイパワー化対応』だけでなく 『通常のパワーのエアライフルの弾速の安定化・発射弾数増加』に有用です。

 

2020-1-29追記) FXのドリームライン_チューブタンクタイプに17ccの追加プリナム(POWER_PLENUM)が海外で販売されています(インパクトMK2は既に追加プリナム付で販売されています)。
ドリームラインの場合 出力は1.5倍になるそうですが、パワーアップするより セット圧を下げて弾速を安定化した方が良いと思います(発射弾数も増加します)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良い点

 

 

 

 

 

レギュレータ付きエアライフルの良い点下記です。

 

 

・安定した弾速で弾数が撃てる。一般的なエアライフルだと安定しているのは15発程度ですが、その3倍以上撃てる。

 

・エアの充填頻度が減る、射撃場で非常に多くのペレットを消費する方以外はハンドポンプで十分と思います。

 ⇒ハンドポンプで充填するメリットが大きい。但し水分除去機能付ポンプ(ヒルポンプ)をオススメします。

 

 

私は166cm 57kg 還暦過ぎのジジイですが クラウンにハンドポンプで充填するは 特に苦では有りません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悪い点

 

 

 

 

 

レギュレータ付きエアライフルの悪い点は下記です。

 

・レギュレータの部品点数が増え 故障のリスクが増える。皿バネのへたりや水分による錆び、運動するピストンのOリングの損傷、ピストンのシールの損傷 等考えられます(私の場合は自分で修理します)。
⇒今後レギュレータそのものがO-リングと同様に消耗品になっていくのではと思います。(水分でレギュレータの劣化が進む

 

 

・レギュレータ無しのPCPエアライフルは一般的には160~180barで安定した高い弾速が出るが レギュレータ付きの場合のセット圧は100~150barと低く、
この圧力に合わせてハンマー重量やハンマースプリングテンションを下げているので 一般的には弾速が落ちる。

⇒5.5mm(15.9gr)や6.35mm(25.4gr)口径では 900fps程度の弾速にセットしている銃が多いが、100m以上の遠射の場合は950fps程度まで上げたい。

⇒ 最近はレギュレータ付のハイパワーエアライフルも有ります。

 

 

 

・レギュレータを安定して機能させるには 基本ウォーミングアップ(空撃ち、ペレットを装填した射撃)が必要

⇒海外のサイト等で射撃数と弾速のグラフ等が公開されているが ウォーミングアップの有無を確認する必要がある、
ウォーミングアップしてからだと安定していても、そうでない場合 初弾~場合によっては10発程度まで安定しない場合有り(理由は後述)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

注意点

 

 

 

 

 

 

レギュレータ付きエアライフルで注意すべき点は下記です。

 

 

射撃時の【初弾が安定しない】

この対策は『射撃前に数発程度 空撃ち』してレギュレータがセット圧になったことを確認する。

 

追記)私の所持しているFXクラウン6.35mmの弾速データ(問合せが有ったので)
条件:1週間前にエアーを充填、弾速測定前のウオーミングアップ無し 200barから25発 ペレットはJSBのディアボロ25.4gr。
一発目は弾速が落ちます。

1発目=918.5fps_最低速度(280.0mps) 、最大速度=934.8fps(284.9mps)、最大最小差=16.3fps(4.97mps)、標準偏差=3.1fps(0.94mps)。

1発目を除くと 最低速度=925.6fps(282.1mps)、最大速度=934.8fps(284.9mps)、最大最小差=9.2fps(2.80mps)、標準偏差=2.1fps(0.64mps)。

 

⇒ 狙う距離が50m以下なら弾速が20fps(6mps)程度落ちても 初弾を外す可能性は低いですが、それ以上の遠射の場合は外す可能性が高くなります。

 

 

 

 

射撃場で連続して射撃しているとレギュレータ圧は安定しているが しばらくほっておくと数bar レギュレータ圧が上がります

このため この状態で射撃すると初弾の弾速が安定しない、一般的には弾速が下がる⇒実猟で初弾が外れる場合が有る。

 

 

 

普段のレギュレータ圧(セット圧)

 

しばらく置いておくと(5bar程度上昇します)

注)今後圧力計を換えて圧力を再確認予定です

 

 

 

 

空気銃のレギュレータはセット圧以上に一度上がってしまうと元のセット圧に戻れません。

 

 

 

微妙にレギュレータ圧が上がる原因は複数有ります(複合して発生)、

・レギュレータのピストン部のシール部から僅かにエアが漏れる、
これはレギュレータの応答性、セット圧の安定性等の性能 構造的なもの、皿バネやピストンのシール部なじみ、部品精度のバラツキ等、(当然ですが個体差有り)によります、
また理論的には セット圧が低いほど この現象は起きにくいです(皿バネの特性上、シール性)。

 

・プリナムにエアーが入った時下がったエアーの温度がエアタンクと同じ温度に戻った時、
微妙な圧力差が発生する。

 

銃の保管時温度変化(高い→低い)でレギュレータ圧が上がってしまう、
特にエアタンク(ボトル)とプリナム(温度変化を受けやすい)の温度差によって発生する。

 

・圧力計の誤差や反応性の悪さによることが考えられます。

 

とにかくレギュレータ付エアライフルはレギュレータ無しエアライフルに比べ「温度変化には非常に敏感」と言えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

・連続射撃はワンテンポおく

射撃場で連続射撃する際 発射する間隔はワンテンポおいた方(数十秒)が弾速が安定します。

 

これは

・プリナムに完全にエアを充填するのに多少時間がかかる(数秒程度⇒レギュレータの応答性とボトル圧に影響される)

・プリナムに入ったエア(ボトル内より温度が下がっている)をなじませる(すみずみまで温度・圧力を均一化)

ためです。

 

 

 

 

 

 

・レギュレータのセット圧は変更できるが やり方も間違えるとレギュレータを壊してしまう、

調整する際は それなりの精度の圧力計が必要(一般的に銃の圧力計は精度、応答性の点で信頼性が低い)及びシール部を損傷させないようにセット圧変更の手順を遵守。

 

 

・レギュレータのセット圧以下で射撃しない

レギュレータを傷める可能性が高いです、高い圧力を低い圧力にする機構しか持っていないため。

 

 

・エアライフルを保管する場合 エアタンク(ボトル・チューブ)圧はレギュレータ圧より高い状態にする。

レギュレータ圧より低い圧力で長期間保管するとレギュレータを傷めます。セット圧にもよりますが基本は150bar以上で保管する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に

 

 

 

レギュレータ付きエアライフル 上記で説明したとおり 良い点 悪い点、注意点が有ります。

射撃の技術がそこそこ有って (カモ・キジの)鳥撃ちがメインならレギュレータは不要と思います、鳥撃ちで1日に数十発も射撃することは有りません、初弾が最も重要です。

 

射撃場で多くペレットを消費する方(初心者含む)、止め刺しがメインの方は圧倒的にレギュレータ付きが良いです。

⇒レギュレータ付きPCPエアライフル+ハンドポンプ(強力な水分除去機能付のヒルポンプが実用的にも お財布にもやさしい オススメできる組み合わせと思います。

以上 自分自身のスタイルに合わせて選択して下さい。

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Comments / Trackbacks

  • Comments ( 6 )
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  1. はじめまして、大分の安倍と申します。
    エアライフル初心者の幼稚園生です。
    アメリカで売ってる電動エアポンプなどは輸入可能でしょうか!?
    ヒルポンプも値段があがり高価になりました。
    ご回答できましたらよろしくお願いいたします。

  2. はじめまして。
    エアライフル初心者マークの一年生です。
    ヒルポンプもアマゾンで高価になりました。
    ネットでアメリカから電動ポンプ等輸入は可能でしょうか?
    おすすめメーカー等有りましたらご紹介下さい。
    よろしくお願い致します。

    • ヒルポンプは国内の銃砲店 GUNSHOP-SATO とか EIKOH-GUN で 個人輸入とほぼ同等の価格で購入できます。
      エアライフルに高圧エアーが充填できる電動ポンプを個人輸入して使用すると「高圧ガス保安法」に違反する可能性が有りますのでオススメ出来ません。 

  3. 今期からマタドールR5Mを導入しまして、最近の気温変化のせいか、さっぱり当たらなくなってしまいまして、自暴自棄になっていたところに、この記事を発見できました。ありがとうございました!前回は空撃ちを連続2回行ってから、50mのカルガモを撃ったのですが、水柱も確認できないほどの外し方をしました。自宅がセントラルヒーティングなので、確かに温度差は激しいです。ただ猟場まで1時間くらいかかるので、車内とはいえ多少冷えるものだと思ってましたが甘かったですね。何か対策があるのなら教えていただけるとありがたいです。それではよろしくお願いします。

    • morimoriさん

       空撃ちしても50mで外した件ですが、レギュレータ以外の問題では? 頬付け、ペレットのバラツキと思います。
      私が5.5mmのS510から6.35mmのクラウンに換えたとき連続して外した事が有りました、空撃ちしないため初弾の弾速が遅くてハズしたというより 頬付けの甘さでハズしたと考えています、同じライフルタイプでもクラウンの頬付けと6.35mmのリコイルに慣れていなかった(ブルパップタイプのマタドールのリコイルはライフルタイプと異なります)。
       マタドールの扱い、ペレットの問題が無いのならば 低温のため空気密度が上がり弾速が低下、もしくはハンマーやレギュレータのピストンの動きが悪くて弾速が低下しか考えられません。
       私がFXクラウン(6.35mmでreg付)を使う際に注意している点は 暖房の入っていない部屋でairを充填、車で猟場までの移動中の暖房はシートヒーターのみ(くもり取り時は使用)にして銃の温度を上げないようにしています。
      それと禁猟期に射撃場でいろいろな気温で弾速を測定して初弾~10発程度までの弾速データを取っておき、chairgunsoftで いろいろな弾速のPOI(milで)を計算しておきます、
      非常に寒い時は低い弾速のPOIで狙っています(狙う距離が50m程度以下ならあまり関係無いと思いますが)。

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