スイス アーミー ナイフ(以下SAKとします) と言えば ビクトリノックス(2005年までウェンガーも有ったが)、小型でナイフ付きマルチツールとしては 最も普及していると思います。
私はSAKを5本ナイフ持っていますが 自分で買った1本を除いて 残りは頂いた物です、常日頃よりナイフも趣味と回りに言っているので 不要になった物とか お土産が回ってきます。
今回は『ビクトリノックスのスイスアーミーナイフ(SAK)の雑感』と私が唯一買った『センチネルの紹介及びハンドルをスティップリング(ステッピング加工)』です。
ビクトリノックス_スイスアーミーナイフ
Victorinox Swiss Army Knife
基本スペック
ブレード材料・諸元
材料:ステンレス材:X55CrMo14(DIN規格_1.4110)
成分(基準):C=0.50%,Si=0.60%,Mn=0.50%,Mo=0.50%,Cr=14.5%
硬さ:HRc54~56
形状:ドロップポイント (スモールサイズSAKのブレードは「ペンブレード」と呼ばれています)
グラインド:フルフラット+セカンダリーベベル
表面:ミラーフィニッシュ
ブレードオープン:ネイルニック 一部サムホールも有り
ブレードロック:スリップジョイント(ロック機構無し)、一部ロック付きも有り
研ぎ角:15~20度
victorinoxのinoxはステンレス材のこと、ブレードの材料は中級クラスですね。
尚 その他の部品はブレード材より低級材で
ライナー、スプリングはX20Cr13(DIN規格_1.4021)、
ソー、ドライバー、ヤスリ、缶切り、ハサミ等はX39Cr13(DIN規格_1.4031)刃部の硬度はHRc49~53。
ビクトリノックスが公開している
製造方法:「How the Victorinox Swiss Army Knife is Produced | Victorinox」
サイズ
折り畳んだ状態での全長で大きく3種類有り(太字が代表的なサイズ)
・スモール :58mm
・ミディアム:84mm、85mm、91mm、93mm
・ラージ :111mm、130mm、136mm
ハンドル スケール
これも大きく3種類有ります
・樹脂:ABS、セルドール、ポリアミド
・アルミ : ALOX
・木材:ウオールナット
ハンドルスケールの片面には必ずビクトリノックスの『スイス国旗をモチーフにしたロゴ』が有ります。
雑感
・いろいろなツールの組み合わせ サイズが有り とにかく種類が多く 価格も安い物から高い物まで有る
欲しいSAKを捜すには
ビクトリノックスのホームページにアクセス 『ビクトリノックス ホームページ:ホーム/プロダクト/マルチツール』
①サイズを決める ②サイズ毎にツール・機能数・カラー・価格・ハンドル素材・詳細サイズ等 で絞り込みができます。
私のブログを読むより こっちを見ている方がおもしろいかも? 改めて見てみると ほんといろんな物 有りますね。
・ナイフの【顔】が有る
車のBMWは車好きでなくても識別できるように、ナイフにも一目で識別できる【顔】があると思います(ロゴを見なくてもナイフを識別できる)。
その代表格が『VICTORINOX SWISS ARMY KNIFE』 『MORA』 『OPINEL』 『SPYDERCO』 『BUCK_110シリーズ』 等と思います。
・威圧感の少ないデザイン
フォールディングナイフ、丸みの有るハンドル、赤色(最近はいろんなカラーも有るが)、小型の物がメイン、
ナイフブレードが基本ドロップポイントでオピネルやバック110のクリップポイントよりは威圧感が少ない(ティップでの怪我する可能性も多少低い)、
ツールが多いとナイフが目立たない 等。
・ミラーフィニッシュ
ナイフブレード、ツールも全てミラーフィニッシュです、ピカピカは高級感が有り一般受けします。
・スイス製
品質の安心感が有ります。
(最近のSAKは昔のに比べて品質が少し落ちたように思います)
・注意点
ツールの種類が増えると厚さが増える、私の場合 ナイフの使用がほとんどなので2層までが使い易いと感じています。
また ブレードをロック出来る物が少ない、一部ツールが取り出し難く爪が割れる(実売店でチェックをオススメします)。
私が所持している物 :最初の映像で上から
・センチネル
唯一自分で買ったものです ラージサイズで1層、詳細は次項。
・ソルジャーCV AL
数年前に知人から 「貰い物かつ自分は使わないので」 ということで私に回ってきた、ミディアムサイズで2層 アルミハンドル。
渓流釣りの際に使っていました、最近は ほとんどキャッチ&リリースしているので 活躍していません。
・オフィサー
30年以上前にお土産としてもらった、ミディアムサイズ、3層のSAKはこの1本だけ。
私が国内外の単身赴任、長期出張の際に持って行きました(世界1周したナイフ)。ただ使った機能は「ナイフ、プラスドライバー、マイナスドライバー、缶切り、ピンセット」くらい です。
・ティンカー スモール ムーミンバージョン
2年前にお土産としてもらった。
ムーミンバージョンで威圧感が少なく ミディアムサイズ 2層のSAKで 私が使う機能だけ(上記の) なので 飛行機を使わない出張用として使っています。
またビクトリノックスは毎年ムーミンバージョンみたいな限定版を販売しています(コレクター向け)。
・スイスライト
これも もらい物です、スモールサイズで1層、LED付き、ロゴマークを押すと光ります。
久しぶりに使ったらバッテリー切れしたので交換しました。
バッテリの取り出し方はハンドルスケール側面のバッテリキャップの反対側に有る穴から細い棒(クリップ等)で押し出す、バッテリは「CR1025」です。
お役立ち情報
1.ロック機能付きブレードのブレードクローズのやり方(5種類)
『ビクトリノックス ホームページ:ホーム/プロダクト/マルチツール』
このページにPDFファイルでダウンロードできる『マルチツールカタログ』が有ります、P-35に記載されています。
ビギナーの方は一読を強くオススメます。(クローズ時に指を怪我をすることが多いので)
2.ツールの代表的な機能(38種類)
上記と同じ『マルチツールカタログ』のP-5に記載されています。
3.日常のお手入れ
『ビクトリノックス ホームページ:ホーム/マルチツール/サービス/日常のお手入れ』
このページにPDFファイルでダウンロードできる『マルチツールの日常のお手入れ』が有ります。
内容は洗浄と研ぎです、洗浄後 食品にも安全な「ビクトリノックスのマルチツールオイル」を使うようにすすめています。
私の過去ブログ『ナイフの衛生上の注意点』にも書きましたが「食品に安全なシリコンスプレー」を使っても大丈夫です。
尚 ハンドルスケールを取り外す方法は つまようじ、ピンセットが取り付いている穴に細いマイナスドライバー等を差し込んで外します。
ビクトリノックス センチネル
スペック
SAKでブレードロック付きナイフを捜していたら 行き着いたのがこのナイフです。
2020年1月時点で3種類有ります。
価格の高い順番です(3~4.5K円)、
商品番号が微妙に異なりますので 購入時注意。
共通なのは
1層、
ブレードはミラーフィニッシュでロック機能有り(ライナーロック)、
ハンドルスケールがポリアミドで色はブラック、フィンガーグルーブ付き
ブレードのワンハンドクローズは基本出来ません、
キーリング、つまようじ、ピンセット付き、 と超シンプル。
折り畳んだ時の全長=111mm、刃厚=2.4mm、刃長=80mm
1.センチネル クリップ : Sentinel Clip
番号:0.8416.M3
厚さ:17mm
重さ:78g
ブレードオープン:サムホール付きでワンハンド可能
ポケットクリップ:付き
(ビクトリノックスのホームページより)
現時点このタイプが最も入手性が良い。
2.センチネル 片手用 : Sentinel One Hand
番号:0.8413.M3
厚さ:12.5mm
重さ:73g
ブレードオープン:サムホール付きでワンハンド可能
ポケットクリップ:無し
3.センチネル : Sentinel
番号:0.8413.3
厚さ:12.5mm
重さ:71g
ブレードオープン:ネイルニック(ワンハンド不可)
ポケットクリップ:無し(過去付いているタイプも有った)
3番目が私が所持している センチネルの中で最もシンプルな物です。
雑感
3種類有るセンチネルで最もシンプルな物を選んだ理由は
『スイスアーミーナイフとしての顔がある』 かつ 『安価で軽量かつブレードロック機能付きのフォールディングナイフ』 だからです。
ブレードにサムホールが有ってワンハンドオープン、クローズができ ポケットクリップ付きナイフはスパイダルコがオリジナルです、このタイプのブレード形状 スイスアーミーナイフには似合わない(USアーミーナイフという名称なら文句は言いませんが) と思います。
あくまで私の好みです。ちなみに 私が所持しているフォールディングナイフで最も気に入っているのは スパイダルコのパラミニタリ-2です。
特にブレードのロックは秀逸です、値段の割に剛性が有ります、これはライナーロックですが スリップジョイントのバックスプリングも機能しているからです。
刃長が80mm有り 料理に使い易い、ステンレス鋼ブレード&ライナー、樹脂製ハンドルなので 水でジャブジャブ洗える、また重量が71gと軽い、
このため 私は源流のキャンプ釣行の際に使用しています。
サイズ・ブレード・グラインド・ハンドルを比較(ほぼ同じブレード長のナイフ3点)
上から
・エンデューラ4:
リーフブレード+セーバーグラインド
・センチネル:
ドロップポイントブレード+フルフラットグラインド
・オピネル(No8):
クリップポイントブレード+コンベックスグラインド
グラインドについては私の過去ブログ「ナイフのジオメトリの超基本」を参照してください。
悪い点は2つ、
1.ブレードをクローズしにくいこと(やり方は『マルチツールカタログ』のP-35にも記載されています)
基本 両手を使わないとクローズ出来ない。
右親指で「PRESS」部を押しながら 左手でブレードを起こしていく(「PRESS]部の出っ張りが少なくやりにくい)
左手でブレードを起こすと この位置でブレードが止ります
右親指をブレードが収まる位置から外してブレードを完全にクローズする
2.ハンドル形状は緩やかなフィンガーグルーブが付いているが スケールの材料がポリアミド樹脂製で滑り止め加工を実施していない。
ハンドルが滑りやすいのでスティップリング(ステッピング加工)を実施しました、次項参照。
ハンドルをスティップリング
『スティップリング(STIPPLING、STIPPLE)』、国内では なぜか『ステッピング加工』と呼ばれる場合が多いようです。
検索するなら 国内ではステッピング加工 グリップ 、海外なら STIPPLING(STIPPLE) GRIP を入力すると いろいろ有りますヨ!。
これはハンドルやグリップの表面を凸凹加工して滑りにくくすることです、材料が樹脂の場合はハンダゴテを使って簡単に出来ます。
私が使っているハンダゴテは40W_ハンダ付け用の標準的な物です。
ハンダゴテを適当に当てて樹脂製ハンドルスケール全体を凸凹にしただけですが 滑り止め効果バツグンです。
ベッカー BK9 ナイフ のハンドルスケールをスティップリング
いろいろなサイトでピストルグリップのスティップリング(ステッピング加工)を見ていると すごくカッコ良い物があります、
ナイフハンドルの加工に参考になります。
ハンドルの「一部だけ」にしたり 「凸凹形状を変えたり」も出来ますので 自分の好みで実施して下さい。
ハンダゴテの「こて先形状」を変えれば凸凹形状が変わります。
こて先形状にはいろいろな物があります HOKKO こて先選択ガイド 、ハンダゴテも1K円以下で売っています。
また 実施する際は樹脂が溶けるので部屋の換気に気を付けて下さい。
最後に
スイスアーミーナイフ(SAK) 特に私のオススメは有りませんが、 とにかく いろいろな種類が有るので 使う目的や好み で 1本持っていても損にはならない ナイフ(マルチツール)と思います。
また ここ最近 スリップジョイント+ウッドハンドルのシンプルなフォールディングナイフの人気が復活していて 各社からいろいろ販売されています、 『ウッドハンドルのSAK』 も 良いかも!?。
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