こんにちは hera-tanishiです、
今回は斧(おの、Axe、アックス)についてです。
私自身が好きで数本保有している斧にSwedish Hand Forged Axes(スウエーデン製手動鍛造斧)が有ります、これはAxehead(斧頭)は手動鍛造でHandle(ハンドル(シャフト))はヒッコリーの斧です。
主なメーカは Gransfors Bruk(グレンスフォシュ ブルーク)、Hultafors(フルタフォシュ)、 Hults Bruk(フルツ ブルーク)、Husqvarna(ハスクバーナ)、 Wetterlings(ウエッタリングス) の5社です。
他にもナイフで有名なKaresuando(カレスアンド)や木工具で有名なSvante Djarv(スヴァンテ ヤーブ) 等も有ります 使用用途が限られた物なので、 今回は省き 上記5社についての備忘録です。
本当に手動鍛造しているのは どのメーカか? 販売戦略は?
結論から言いますと
現時点 グレンスフォシュ ブルーク、フルタフォシュ、 フルツ ブルーク、ハスクバーナ、ウエッタリングスの5社の内 手動鍛造を行っているのは グレンスフォシュ ブルーク と フルツ ブルークの2社のみです。
ブランドと製造メーカの関係は
グレンスフォシュ ブルーク・ウエッタリングス:ブランド
グレンスフォシュブルークのオーナーはウエッタリングスを買収したと2017年3月に発表ました。(2016年1月に買収済み)
このため現在 ウエッタリングスは「ウエッタリングス ブランドでの斧」を製造していません。
今後 ここでグレンスフォシュ ブルークの斧を製造する と発表しています(現在もうしているのか)。また 将来 ウエッタリングス名で製造、販売を再開するのかは未定です。
2018-5-27 追記 : ウエッタリングスの工場ですでにグレンスフォシュ ブルークの斧を数種類製造していることが分かりました。
ウエッタリングスブランドの斧は製造しなくなって1年経過しますが、現時点でも在庫が有るようで、AMAZON_USAでもまだかなり販売されています、日本では一部の品物がまだ販売されています。
私見ですが ウエッタリングスの斧は 「中の上以上の品質」ですが販売価と品質のバランスが中途半端であまり人気が無いのでは(だから買収された)と思います。
グレンスフォシュ ブルークは『スウエーデン製にこだわり高品質な斧を少量生産し高価格で販売する』、ロールスロイスと言うより『フェラ-リ』と同様な戦略を取っています。
(ロールスロイスと名が付く会社は2社有ります、車のロールスロイスはイギリスでは無くドイツのBMW系列の会社、と ジェットエンジンを作っている会社)
ただフェラーリも利益拡大のため最近生産台数を増やす動きを取っており、グレンスフォシュ ブルークも同様な動きを取るためウエッタリングスを買ったのではと考えられます。
フルタフォシュ・フルツブレーク・ハスクバーナ:ブランド
フルタフォシュ、 フルツ ブルーク、ハスクバーナ の斧は フルツ ブルークで製造しています。(ウエッタリングスは2011年までハスクバーナの斧を製造していました)
但し フルツ ブルークの仕上げ製造ラインは『普及品製造のスタンダードライン』と『高級品製造のプレミアムライン』に分かれています。
プレミアムライン製は 斧頭やハンドルの仕上げ品質のみならずレザーシース(斧頭カバー)とハンドル材のグレードが違い検査も厳しく実施されています。
スタンダードライン品は 品質のバラツキが大きく一般的にはブレード(エッジ)を研がないと使い物になりませんが(特にフェリング(フォレスト)アックス系)、
斧頭はプレミアム品と同じ材質・工程で製造されています。
日本で普及しているハスクバーナの斧はフルツブルークのスタンダードラインでの製造です、斧頭の刻印はハスクバーナのロゴマークでハンドルは印字でHusqvarna。
冒頭の写真は私が所有しているハスクバーナのマルチパーパス(フォレスト)アックスです、いつも鎌砥石(#320,#1000,#2000)で研いでいます(ストロップはしていません)。
この斧安くてコスパ最高です。
フルタフォシュの『クラシック』シリーズはフルツ ブルークのプレミアムラインでの製造で斧頭の刻印はH.B(フルツ ブルーク)でハンドルの焼き印はHultafors。
これ以外の物はスタンダードラインでの製造です。
私はClassic_Hunting_Axeも持っています、ハンドル品質も良く ブレード(エッジ)も箱出しで研ぐ必要有りませんでした。
グレンスフォシュ ブルークの斧は高くて買えないが 普及品はいやだという方には フルタフォシュの『クラシック』シリーズをオススメします。
2020-3-14_追記)
フルタフォッシュの「クラシック」シリーズは 「プレミアム」表示で フルツブルークが使っていた名称に統一されました。
「Classic Hunting Axe」⇒ 「Ekelund Hunting Axe」or 「Hults Bruk Ekelund Hunting Axe」 となっています。
フルツ ブルークは1992年にフルタフォシュに買収され、フルタフォッシュ傘下の会社となっています。
現在従業員は20名ちょっとで年に10万本以上の斧頭を鍛造しています。
しばらくは自社ブランドでの販売は出来ませんでしたが2014年より北米でのみ販売が許可されています。
品名によりスタンダードライン製とプレミアムライン製の両方有ります。
フルツブルークは会社の規模がフルタフォシュ(グループ)に比べあまりに小さく親会社の意向に従わざるえないが、
他ブランド品も製造することにより仕事量を確保している。
まとめ
まとめるとSwedish Hand Forged Axes(スウエーデン製手動鍛造斧)は2系列になります。
・Gransfors Bruk(グレンスフォシュ ブルーク)系列
高品質な斧を少量生産し高価格で販売する戦略【フェラーリと同じ】。
製造は環境に配慮しスウエーデン製にこだわる。
傘下はWetterlings(ウエッタリングス):
現在 ウエッタリングス名での斧は製造していない、在庫品のみの販売、
今後ここを使い生産能力を向上。
・Hultafors(フルタフォシュ)系列
高級品、普及品、中国製の超廉価品、+別ブランド(フルツ ブルーク)の、2ブランドで幅広い品質・価格の斧を販売する戦略。
製造について スウエーデン製はHults Bruk(フルツ ブルーク)に集約化している。
傘下はHults Bruk(フルツ ブルーク):
親会社のHultafors(フルタフォシュ)品の生産から自社Hults Bruk(フルツ ブルーク)品の生産・販売、
さらにHusqvarna(ハスクバーナ)品のOEM生産を行い 自社の仕事量を確保し製造コストを下げている。
この系列の斧は似たものが多々有ります、普及品はほとんど同じ品質ですヨ!!!(価格は異なるが)。
以上 hera-tanishiIの【斧 備忘録】でした。『斧製造の秘密』も書く予定です。
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