ナイフも趣味のhera-tanishiです。
狩猟シーズンに入ったのでナイフの出番が増えました、私の場合 エアライフルによるバードハンティングが中心で カモが主な獲物です。
今回は『一般的なバードナイフの紹介』
『私がバードハンティングに持って行く 超定番のクラシックナイフ「ケース トラッパー」「バック 110 フォールディングハンター」の雑感』と
『ハンティングナイフの衛生上の注意点』の備忘録です。
鳥を捕ったら最初にすること
最低限やること
➀総排出腔(肛門)の周りの毛をむしる
➁総排出腔から「ガットフック(腸抜きフック)」で【腸を綺麗に全部抜く】
ガットフックの使い方: How to use a bird knife gut hook
: Using a gut hook – Quick Tips
➁ネックを切り血抜き
私も 当初 このやり方をやっていましたが、【腸を綺麗に全部抜く】ことが意外と大変で、中途半端に腸が残っていると他の内臓や肉も痛みます。
このため最近は『ナイフで総排出腔(肛門)を縦方向に少し切り開き手袋をして腸を全部出しています(ガットフック使わず)』。
また自宅では無く 現場で 鳥の羽や頭を切り落とす際には 少しハードに使えるナイフとまな板(に相当する物)が必要です、またはキッチンバサミを使う方法も有ります。
参考:エシー(ESEE)のイズーラ(IZULA)_ネックナイフを使ってカモの内蔵出しまで:Field Dressing Duck
参考:鶏の解体方法です、私はこのやり方でカモを解体しています。丸鶏のさばき方【一番わかりやすい完全解説】
一般的なバードナイフとは
フォールディングナイフ編
細身(刃長に対して刃幅が短い)のクリップポイントもしくはドロップポイントのフラットグラインドブレードとガットフック(バードフック:腸出し)が付いた物が一般的ですが、このタイプ最近はあまり出回っていないようです。
レミントン(remington)、ケース(case)、バック(buck)、ボーカー(boker) 、プーマ(puma)、マセリン(maserin)、フォックス(fox) 等々。
ブレード長:60~80mm程度、刃厚:2~3.5mm程度
このタイプ 日本のバードハンター(鳥撃ち)の間では人気は有りますが、ガットフック(腸出し)は針金で簡単に自作出来ますし、無くても腸抜きは出来るので海外では需要が少ないのかもしれません。
ハンターズ_クラシック(上側)とウインチェスター(下側)の中国製のガットフック付のバードナイフです、安かったのとガットフック付ということでハンターになる前から持っていました。
何れもステンレス(440A相当?)、何れも刃幅が薄く(10mm)かつ刃厚も薄い(2mm、2.2mm)ブレード形状のため剛性が低過ぎです。ハンターズクラシックには散弾銃のチョーク交換レンチ(#12、#20)が付いています。
いずれも自分で研がないと使い物になりませんが2k円しなかったで許せます。但し いずれも現在は廃盤となっていて在庫品の販売のみです。
下のウインチェスターはガットフック(バードフック)の収まりが悪いです。
フィックスドナイフ編
古くから「バード(BIRD)&トラウト(TROUT:マス)」 タイプという 鳥と魚を処理するナイフは多くのナイフメーカが出しています。
これも細身(刃長に対して刃幅が短い)のクリップポイントもしくはドロップポイントのフラットグラインドブレード(コンベックス、セーバーも有)が一般的、
日本ではGサカイ、モキ、ICカット、海外では バークリバー(barkriver)、コールドスチール(coldsteel、バック(buck)、ガーバー(gerber)、等々
刃長:60~100mm程度、刃厚:1.6~3.5mm程度
すみません このタイプのナイフは持っていませんので画像有りません。
何故 定番ナイフなのか
クラシックナイフを再考
ナイフが趣味でいろいろなナイフを持っています(いました)が、最近クラシックナイフ(classic_knife)の良さを再認識しています。『長い年月消えずに残っているのは普遍的な性質(独創性、飽きない形状等々)が有る』からだと思います。(一巡したら元に戻ったようです)
クラシックと言うとクラシック音楽の印象からか古いとか古典というイメージを浮かべる方が多いと思いますが 違います、ここでいう『クラシック』は『傑作』という意味です。
(クラシック音楽(Classic_Music)は和製英語でClassical_Musicが正しい)
今回紹介するナイフは2点とも以前所持していましたが源流釣り(高巻き、藪こぎ、ちょっぴり滑落、滝にドボン等 もう年なので危険な所には行きません)で紛失しましたが ハンターになって ここ1,2年にまた買った物です。
クラシックナイフ いろいろ有りますが、今回はアメリカン_フォールディングナイフの2点の雑感です。
ケース(CASE)_トラッパー(TRAPPER)
1920年からこのトラッパーほとんど変わっていません。
私が今年購入した物は パターンNO:6254CVです、CVは鋼材の種類で 以前持っていた物はステンレス(SS)でしたが 今回はクロム・バナジウム鋼(炭素鋼)にしました、ハンドルはアンバー_ジグド_ボーン、ニッケルシルバー製ボルスター、シースは付いていません、スリップジョイント(slip_joint:ナイフの開閉時背面側にあるバネで、簡単に開閉ができない仕組み、ブレードはロックされない)、アメリカ製、$50前後で販売されています。以前の買った物は私が社会人になって買った3本目ナイフでした。
またスペイブレード(上側)はポイント部まで刃厚が同じですが、クリップポイント(下側)はだんだん薄くなります。
スリップジョイントの感覚はビクトリノックスより良いです、
箱出しでの切れ味は両方のブレードとも まぁまぁだったので、#2000の砥石を使って15°で研いだ後、20°のマイクロベベルを付けています。
ケース社(W.R.Case&Sons Cutlery Cpmpany)のホームページより:ケース社の歴史、ナイフのメンテ方法 .
ケース社の推奨研ぎ角は15°です(刃先角は30°)。
ブレードに製造年を表すマーク、パターンNO が刻印されています:Lean to Read the Case Pattern Code
USA製 パターン:6254CV、「*」が2個で2018年製で有ることが分かります。
・サイズ
ブレード長83mm、エッジ長76mm、刃厚=2.3mm ハンドル長105mm 重さ114g
・ダブルブレード仕様
1枚は精密作業、汎用的な作業用のクリップポイント(Clip_Point_Blade)、
もう1枚はスキニング(皮はぎ)用のスペイブレード(Spey_Blade)、
このスペイブレードはポイントが鈍角なので誤って突き刺すことが無いです、
エッジラインはストレートです。
今期から私のメインのバードナイフです。
バック(BUCK)_110(ワンテン)_フォールディングハンター(FORDING_HUNTER)
私が社会人になって始めて買ったナイフがこれで1983年位です 単に有名、カッコイイというだけで購入しました 当時 このナイフの重量感はなんとも言えなかった記憶がありますが、その後 源流釣り時に紛失しました、その後 このナイフをコピーした日本製のナイフを購入し その次に買ったのが先に紹介したケースのトラッパー(ステンレス材)です。
バック社がブレードをロックできるロックバック(lockback)機構を開発し1963年に 発売された以降 現在でもアメリカ国内で売れ筋上位で、世界で最もコピーされたナイフと言われています。
ステンレス(420H)ブレード、ブラス製ボルスター、ローズウッドハンドル、レザーシース付、アメリカ製、$45前後で販売されています。
信頼性、カッコ良さ、箱出しで切れる、ブレードがロックされ、シース付、ホローグラインドで研ぎやすいですが 重くてハンドルヘビーです。
バック社(Buck_Knives)ホームページより
バック社推奨の研ぎ角は13°~16°です(刃先角26°~32°)
ブレードに型番、製造年の記号が刻印されています。
BUCK 110,記号から2017年製であることが分かります。
・サイズ
ブレード長94mm、エッジ長85mm、刃厚=3mm ハンドル長125mm 重さ205g
クリップポイント_ブレード
この「かたち」のナイフ ごまんと有りますが オリジナルはこの「バック_110_フォールディングハンター」です。
他のフォールディングナイフと比較
サイズやブレードシェイプを比較
上から
・スパイダルコ デリカ4 : リーフ_ブレード
・ビクトリノックス ソルジャーCV_AL : ペン_ブレード
・ケース トラッパー 6254CV : スペイ_ブレード (+クリップポイント_ブレード)
・バック 110 フォールディングハンター : クリップポイント_ブレード
・スパイダルコ_デリカ4 (日本製) 渓流釣りで使用、オレンジハンドルにしているのは落としても目立つからです、安っぽく見えますがとても実用的なナイフです、
また この4本の中で唯一ワンハンドオープン出来ます。
ナイフの衛生上の注意点
ハンティングナイフは食材を扱うので衛生で無ければなりません
(解体用ナイフの換わりにカッターナイフやメス刃カッターを使っている方へ 防錆油が付着していますので 以下の洗浄を実施してから使用するのが良いと思います)
ナイフの洗浄
・お湯と食器用洗剤 肌にもナイフのハンドルにも優しい中性の物 とスポンジを使って洗浄 (注:中性かどうかは 洗剤の用途、成分等が書いてあるところに表示されています)
汚れがひどいとクレンザーも使います。
・消毒する必要が有る場合はさらに熱湯をかける
・良く水分を拭き取り 乾燥させる
上記 作業中に指、手を切らないように注意してください。
ナイフの防錆
刃物用の防錆油はいろいろな物を販売されていますが(一部無害と表記されているものも有りますが)、
食材使用に要求される防錆油は『食しても安全で酸化しにくい油』なので 植物系油で酸化しにくい物がオススメです、
酸化しにくさ : サラダ油<オリーブ油<椿油
なので 『椿油』をオススメします。ちなみに私は刃物用椿油では無く ちょっと価格は高いですが普通の椿油を使っています。
しかし 椿油を使っても 少なくとも1ヶ月に1回は必ずメンテして下さい(特に錆びやすい炭素鋼材ブレード)、【椿油も酸化します】。
私の場合、稼働率の低いナイフはブレード材料(ステンレス鋼、炭素綱等)に関係無く まとめて1ヶ月に1回はメンテしています、ステンレスブレード材の場合3,4ヶ月に1回のメンテで問題有りませんが。
それ以上の長期間保管するなら専用の鉱物系防錆油の方が良いです、但し このナイフを食材に使う際は良く洗浄して下さい。(以前 海外に単身赴任中 約1年間 ナイフをメンテしなかったら とんでも無いことになっていました)
尚 食材に使わないナイフや斧の防錆はWD40、タフグライド(TUF-GLIDE)を使っています。
ナイフ可動部の潤滑
フォールディングナイフには可動部があるので ここに使用する潤滑油は『食品機械に使用できるシリコンスプレーが適しています』。
私はワコーズの「シリコーン_ルブリカント」を使用しています。
ビクトリーノックスから「マルチツールオイル」、ベンチメイドから「ブルールブ( Blue Lube)」 等の専用潤滑油も販売されています。
最後に
スーパースチール(スーパーステンレス、粉末冶金鋼)を使用した最新のナイフも良いですが 超定番のクラシックナイフ 特にオススメはしませんが、持っていても損にはなりません、 何せ【クラシック(傑作)】です それ以上でも それ以下でも 有りません。
スパイダルコ パラミリタリー2 (Paramilitary 2)
CPM-S30V材(スーパースチール) G10ハンドル、 コンプレッションロック、サムホールによるワンハンドオープン可、クリップ付、アメリカ製
もちろん こいつも好きです!
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