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【空気銃 本】空気銃 物理のバイブル【The Airgun from Trigger to Target】の感想:「スプリンガー&プリチャージ空気銃の物理 本」

【空気銃 本】空気銃 物理のバイブル【The Airgun from Trigger to Target】の感想:「スプリンガー&プリチャージ空気銃の物理 本」

今猟期(2021年度)も あと僅か 出猟したくとも 当地は大雪で巣ごもり状態、このため本日(2月6日(日))は読書です,

勿論 空気銃に関する本です。

 

 

読んだのは  「空気銃の物理というか 空気銃の技術的な面について 一般的に知られていることを 多くの実験で最初に検証した バイブルといえる本」です、

この本の名は「The Airgun from Trigger to Target」

今回はこの本の感想です。

 

 

この本 私が空気銃を始める前 海外の空気銃の情報収集をしている時に 「結構有名な本」ということで 知っていましたが、

この時点でコレクターズアイテム?になっていて 元々 イギリスで£15(¥2K程度)で販売されていたにもかかわらず その10倍以上になっていたので 購入を諦めていました。

 

今年(2022年)の正月休み中 イギリスのブックショップで安く売られていたのを見つけたので個人輸入しました(ペーパーバックで2002年版)、購入価は送料込みで¥3Kほど。

 

 

 

 

 

 

 

著者・出版時期

 

 

 

 

著者はイギリスのG.V.Cardew とG.M.Cardew 親子 です、 お父さんはガンスミス(既に亡くなっています)、息子は電気系エンジニア。

 

 

 

この本の出版は1995年です

 

1976年に出版した「the airgun from trigger to muzzle」をベースに 修正、加筆したものです。

 

235ページ。

 

 

 

 

 

 

対象の空気銃

 

 

 

 

スプリンガー(スプリングピストン式空気銃)とニューマティック(プリチャージ空気銃、ポンプ式空気)について書かれていますが、

出版が1995年ということも有り 「スプリンガーの割合が多く 旧世代の空気銃についての内容」 は否めませんが、

空気銃、ペレットの物理的な部分は 現在の最新式プリチャージ空気銃にも当てはまります。

 

この時代 プリチャージ空気銃が急速に普及しており レギュレータについても書かれていますし、

スプリンガーについても メカニカルスプリングの他にガススプリングについても書かれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

 

 

 

 

 

 

1. 凄いな と思った項目、 知っていたけど数値データは見たことが無かった項目 を一部ですが引用しました + 感想。

 

・とにかく 実際にいろいろな実験をやって計測をしている こと 

 

 

・いろいろなペレットの飛翔写真 (これだけでも この本を買うメリット有)

⇒ ペレットがマズルから少し出た ほんの一瞬だけ空気の流れがペレットの前に出る 場合がある

【飛翔写真を見て思ったのは マズルから出た瞬間のペレットのスカート形状が重要、スカートが多少変形していてもバレル内で加速中にキチントした形状になる場合は命中精度に余り影響無いかもしれません】

下はこの本の表紙にある「ペレットの飛翔写真」を拡大、こんな感じで「空気の流れを可視化」しています。

 

 

・いろいろなペレットの空気抵抗(drag)を測定

⇒当然ですがスラッグ形状がdragが小さい

 

 

・バレル内のペレットの加速について スプリンガーはプリチャージ空気銃(以下PCPとします)より加速度が高くて短時間(マズルでのペレット速度はPCPより遅いが)

⇒ スプリンガーは短時間に加速されるため PCPよりペレットの変形が大きい(PCPよりマズルエナジーが小さくても)

⇒ スプリンガー用ペレットは硬いスカートが良い【一般的に言われています】

⇒ スプリンガーはPCPよりバレル長さが短くて良い

⇒ PCPのバレルはスプリンガーよりペレットがゆっくり加速されるため 長い物が必要【最近のPCPのバレルはどんどん長くなっています】

 

 

・PCPのバレル長さ・リザーバー容量・リザーバー圧力・ペレット重量 とマズルエナジーの関係

⇒ 同じペレット・リザーバー容量・リザーバー圧力ならバレルが長い程マズルエナジーが高い【FXのスナイパーモデルは700mmバレル】

⇒ 同じペレット・リザーバー圧力・バレル長さならリザーバー容量が大きいほどマズルエナジーが高い【レギュレータ付PCPと同じ⇒プリナム容量が大きい方がパワーを出しやすい】

 

 

・バレルにチョークを付ける理由

 

 

・トランファーポートサイズと弾速の関係

 

 

・スプリンガーのブリーチ形状と弾速の関係

⇒ ペレットはヘッド径よりスカート径が大きいことが必須 【一般的に言われています】

 

 

・マズル部は命中精度に非常に重要【一般的に言われています】

 

 

・バレルの振動は命中精度に影響有り

⇒バレルを完全に固定しても命中精度は良くならない【現在のフリーフローティングバレルにつながる】

 

 

・各種空気銃の構造(レギュレータ付も有)

 

 

 

 

 

 

2. やっぱり当たり前のことが 書かれています。

・いろいろなペレットをテストして 銃(バレル・パワー)にマッチしたペレットを使うのが一番

 

 

 

 

 

 

3.旧世代空気銃で現在の銃では殆ど関係無いこと

 

この本の中でテストしたスプリンガーは旧世代の革製のピストンシールを使った物で潤滑油として使用しているオイルのディーゼリングがペレットの推進力に寄与している ことが書かれています。

しかし 現在のスプリンガーは樹脂製のピストンシールとディーゼリング防止の潤滑油を使用しているので 通常の射撃にはディーゼリングは寄与していません。

これは元の本の出版が1976年のためと思われます(1970年代から革製シールから樹脂製シールに急速に換わっていった)。

このこと以外は現在の空気銃に関連する項目が書かれています。

 

 

 

 

 

 

最後に

 

 

 

 

 

繰り返しになりますが たしかに旧世代の空気銃がベースですが 空気銃の物理、技術的な面 ペレットの飛翔 は 最新のデュアルレギュレータ付プリチャージ空気銃(PCP)でも全く変わりなく 普遍的なことです、

一般的に言われていることを 実際に実験し数値、写真で示している点は素晴らしい(出版は1995年ですヨ)。

英語で書かれていますが 重要な項目は写真・グラフ・図を多く使っているので 読みやすい本と思います。

 

 

この本の詳細内容(具体的な数値、写真、グラフ等)については著作権が絡むので書けませんが、海外で評判の良いこの本、

命中精度を向上したい技術志向のPCPエアライフルシューター、スプリンガー好きにはオススメできる本と言えます。

 

 

尚 この本を買った後に気づいたのですがamazon.co.jpで¥6Kで出品してる海外のショップが有りました 直ぐに売れましたが。

以下 Amazon.co.jp 広告

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