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プリチャージ空気銃【メンテナンスの注意点】:Oリングの材質と硬さ

プリチャージ空気銃【メンテナンスの注意点】:Oリングの材質と硬さ

こんにちは
hera-tanishi(ヘラー渓師)です、

前回 私が所有しているエアアームスS510のメンテナンスについて説明しましたが、内容はS510だけでなくほとんどのプリチャージ空気銃に当てはまるものです。

今回は全てのプリチャージ空気銃に共通するメンテナンス時に『やってはいけない注意点』『Oリングについて前回の補足事項』を説明します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

OリングはNBR(ニトリルゴム)製

 

 

 

 

 

全てのプリチャージ空気銃のシールにはNBR製Oリングが使用されています(一部にテフロン・ポリウレタンも有ります)、これが劣化する原因は①高圧による変形②空気に含まれるオゾン③溶剤が主なものです。

①、②は避けられませんが ③について メンテナンス時に使用する潤滑剤に含まれる溶剤に注意する必要があります。

 

 

身近にある例として
オートバイのチェーンにはピンとブッシュの間にグリスが封入された(シールはNBR製)シールチェーンが使われています。このシールチェーンのメンテナンスにはシールを傷めないシールチェーン用と書かれたチェーンクリナーやチェーンルブを使います。シールを溶かすCRC5ー56を使うのはダメなことは オートバイに乗っている方はご存知と思います。

 

 

 

 

プリチャージ空気銃も同様で

【空気銃の潤滑にCRC5-56やWD-40を使うとOリングの寿命が短くなります】ので絶対に使わないで下さい。
(写真参照)

空気銃のメンテナンスに潤滑剤を使用する際はOリングを損傷する溶剤が入っていないもの、
【シリコン系の潤滑剤を使用すること】をオススメします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Oリングの硬さも重要です

 

 

 

 

 

 

前回 Oリングの材質はNBR(ニトリルゴム)より値段は高いがフッ素ゴムの方が良いと説明しました、
しかし材質だけではなく硬さも重要です。

 

 

 

少し専門的な話になりますが、高圧の空気のシール性を向上させるためには、 シール材質が同じで固定されたシール部 隙間を一定とした場合、Oリングの硬さ(硬度)を上げることが有効です。

これは硬いと高圧でOリングの変形が少なくなるからです。

シール性能は①硬さ90のOリング+バックアップリング>②硬さ90のOリング>③硬さ70のOリング の順番になります。また 同じ隙間なら硬さ90のOリングの方が寿命が長くなります。

 

 

 

 

スキューバダイビングの機器もプリチャージ空気銃と同じ高圧の空気を使用します、この機器にも『NBRで硬さ90のOリング』が使用されています

一般的な硬さ70のOリングを使用しないように ダイビング高圧ガス安全協会から警告が出ています。

 

 

 

 

 

S510のOリングは1箇所のみ硬さ90のOリングが使用されています、1箇所テフロンシール使っていて、その他は硬さ70のOリングを使用しています、

エアアームスS400~S510の昔の取説と最近のそれを見ると時代と共に一部変更してきています。

FXの空気銃も硬さ90と70のOリングを混在して使用していますが硬さ70の方が圧倒的に多いです。

 

 

 

 

 

Oリングを交換する際、
空気銃メーカが『硬さ90のOリングの使用を指示している部位には同じ硬さのOリング』を使って下さい。

 

 

高圧がかかる固定部のシール性能については 『硬さ90の方が良い』のに部分的にしか使っていない理由は

・硬さ70のOリングの方が安い ⇒ これが一番か?

・Oリングミゾの精度が多少悪くても軟らかい(硬さ70)方がOリング自身の変形量が多く とりあえずシールできる⇒Oリングの寿命が短くなる

・硬さ70の方が硬さ90のOリングより柔らかいので銃の組立性(Oリングの装着性)が良い

・銃の寿命設計上 劣化が少ない(漏れるリスクが少ない)部位は硬さ70で十分

・異常な高圧がかかった場合に銃に致命的な損傷が及ばないように部分的にシール性能を落として異常時に空気が漏れるようにしている(空気銃にはリリーフバルブがついていません、圧力計が最初に壊れる?)

等々が考えられます。

上記は私の独断です、いつか空気銃の設計者に聞いてみたいと思います。

尚 どのような場所でも硬いものが良いわけでは有りません 運動する部分等で摺動抵抗を少なくしたい場所には硬さ70のOリングの方が有効です。

 

 

海外で売っている空気銃用のOリングシールキットがOリングサイズだけでなく硬さも銃メーカ出荷時と同じなのかは分かりません。

 

以上

プリチャージ空気銃をお持ちの方で
潤滑やOリング交換のメンテナンスを自分で行う方は参考にして下さい。

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Comments / Trackbacks

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  1. はじめまして、過去の記事にコメントして申し訳ありません。
    私新米猟師でして、散弾銃と空気銃を所持しています。
    空気銃はcometa linxです。

    この空気銃がエア漏れしてまして修理に出そうか自分で直そうか迷って
    この記事にたどり着きました。

    自動車やバイク整備が趣味で一通りはやるんですが、空気銃のオーバーホール出すとえらく高いと聞いたし
    Oリング変えるだけなら自分でできないかなと。

    でもそのリングのサイズや材質、どこで売っているのか全くわからず。途方に暮れていました。

    もしよろしければどこで買えるかご教授いただけないでしょうか。
    突然の質問誠に申し訳ありません

    • 空気銃のエア漏れ箇所が分かっている前提です、
      cometa airgun のホームページのsupportからlynxの機構図をダウンロードしてo-ringのサイズ(内径✕線径)を調べる.
      o-ring は 国内で購入する場合 「オーリング」でサーチすれば いろいろな通販サイトで買えます、monotaro、misumi、勿論 アマゾン、ラクテン等でも。
      海外から購入するのは「cometa lynx o-ring」でサーチすればe-bayやairgunの部品ショップから買えます。
      あくまで自己責任で実施してください。

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